愛すべきチカーノ
〈プロローグ〉
親の愛情を知らずに育った少年。高まる情熱はサッカーにぶつけられた。だが、中学時代に些細なことから教師をナイフで刺してしまう。
その後は暴走族、そしてヤクザと茨の道を進むKEI。次々と頭角を現し巨万の富を得た男に訪れた大きな落とし穴。
舎弟分の裏切り、そしてFBIのオトリ捜査。すべてが罠だった。
アメリカで雇った弁護士たちも、そして裁判官までもすべてがKEIに不利に働くように仕向けられた。懲役10年の判決、あとは転がり落ちるだけだった。
連日の人種間抗争、殺人事件までもが当たり前に起こるアメリカの刑務所。黒人系のブラッズやクリップス、白人系のKKK,中国系やイタリア系のマフィアなど多くのグループが形成され、囚人は己の身を守るために徒党を組んでいた。
その中でも最大派閥は〈チカーノ〉というメキシコ系アメリカ人のグループだった。結束と絆を第一に、命令があれば簡単に殺人を犯す最恐組織であった。
アメリカの刑務所に入所した日本人は闘いをはじめた。メンツを潰されたら生きてはいけない。弱い者は標的にされる。無我夢中に男として闘いを続けた。
そこに訪れたある男との運命的な出会い。ビッグホーミーと呼ばれるボスに認められたKEIは、チカーノの群れに招かれる。そこで感じた互いへの愛情と仲間との絆。貧しいが本物の家族を得た瞬間だった。
アメリカの刑務所でKEIが経験した数々の修羅場からみた本物の家族愛と仲間意識をこれから伝えていきたいと思う。
プロフィール:KEI
1961年東京生まれ。ヤクザ時代にFBIのおとり捜査で捕まる。当時その刑務所に日本人はただ一人。徒党を組まず暴れまくるも、刑務所内で知り合ったチカーノと呼ばれるメキシコ系アメリカ人との交流によって人生における大切なものを学ぶ。2001年、12年8カ月という長い投獄生活を終え、帰国。投獄中に取得した精神カウンセラーの資格を生かし、05年、児童虐待(性的・暴力的)キャンペーンをテーマに無料相談を開始。カウンセリング活動を本格化していく。同時に全国各地の看護協会で講演活動を行う。09年、県内09年、東京都教育委員会の要請を受け都立南葛飾高校での特別授業を委任される。自らの出自を踏まえ青少年、少女との相互理解に寄与。10年にはレッドリボンプレゼンツ・厚生労働省、財団法人エイズ予防財団後援「HOMIE CHICANO FES」でチャリティーイベントを開催。前代未聞の業界最大規模イベント。国内外の有名アーティストを招致しより一般の方のチカーノカルチャーへの認知を深める。12年8月よりオンライン上で主に児童虐待に関する相談窓口を展開しているGood-Family(http://good-family.org/)がリニューアルオープン。同時に、九州支部としてGood-Homie(http://good-homie.com/)を立ち上げ。子供に関する相談以外も受け付け、幅広いトラブルの相談窓口になっている。チカーノスタイルブランド「HOMIE」(http://www.homie-japan.com/)の代表として現在、神奈川県平塚市にショップを持ち、ファッション、タトゥー、音楽などのカルチャーを幅広く発信している。ファッション、タトゥー、書籍、コンピレーションCD、DVD、映画などの幅広いプロデュースで、湧き上がるチカーノ・ブームの中心人物となっている。13年には自身が出演するドキュメンタリー映画が公開される。
●KEIの半生を描いた長編ドキュメンタリー映画
2013年公開予定。各映画祭にエントリー「チカーノになった日本人」
現在、KEIさんの半生を描いた長編ドキュメンタリー映画「チカーノになった日本人」(洋題:NEO KEI)の制作が2013年の公開(予定)に向け行われている。注目度も高く、既に米国内の映画祭など、各映画祭にもエントリーされている。詳細は近日掲載予定。〈製作チーム〉監督(Director):サカマキマサ(Masa Sakamaki)、プロデューサー(Producer):戸山剛(Tsuyoshi Toyama)、撮影監督(DoP):加藤哲宏(Tetsuhiro Kato)
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通信時報
通信時報編集部
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(ID:31876789)
渡辺さんそれに関わって下さった関係者の皆さん有難う御座います。
感謝しています。Kei