音楽プロデューサー 津田直士の 「人生は映画 主人公はあなた」

解説テキスト「夢と夕陽」① 僕が今、この連載を書く理由(その1)

2016/04/12 17:00 投稿

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2014年5月18日に配信されたブロマガを基に再編集しております。




1. 僕が今【夢と夕陽】を書く理由(その1)


 心の中に大切にしまってあった、Xのメンバーとの出会いから東京ドームに至る闘い、そしてその毎日が織りなす青春の物語。それらをありのまま綴ったのが、2009年に出版された僕の本、「すべての始まり」だ。

 「すべての始まり」というタイトルに込めた想いは、本の1ページ目に書いてある。
 Xのメンバーと出会ったばかりの僕の、心の叫びを表現した文だ。

 100年残る音楽、100年残る曲。 それを生み出す事のできるアーティスト。 
 そんなアーティストを、僕は手がけたかった。 
 まだインディーズの、派手なだけのバンド、と思われているエックスだけど、 大丈夫。
 エックスは100年残るアーティストになる。


 100年残るアーティスト・・・

 「100年残る」という言葉には、流行で終わらない、という意味と、全世界的な広がりを持つ・・・という意味が込められている。

 それは僕にとって、バッハやビートルズと同じ存在、ということだ。

 そんな奇跡のようなことが、きっと現実になる。そしてそのすべてがあの頃、僕の目の前で始まっていたんだ・・・というメッセージが、「すべての始まり」にこめられている。



 「すべての始まり」の原稿を書いていた2009年春、X JAPANの全世界的なアプローチは、まだ始まったばかりだった。

 だから、出会った頃からずっと願い続けて来た『いつか必ずそうなるんだ・・・』という想いを込めて「100年残る」と表現したのだ・・・。

 そして今、幸せなことに、それはもう現実になり始めている。

 何より、6月にはいよいよ待望の全世界ベストアルバムが発売される。

 10月にはとうとう、念願のNYC・MADISON SQUARE GARDENでのライブが行われる。

(*2014年当時)

 そして今回「聖闘士星矢」の全世界主題歌を手がけたYOSHIKIは、今まさに、昨年全世界でリリースされた「YOSHIKI CLASSICAL」を携えてワールドツアーの最中だ。


 「すべての始まり」を書いた時に願ったこと。
 それが5年後の今、ちゃんと現実になり始めている。
 これは、1987年に僕がメンバーと出会った頃、願ったことが、5年をかけて全てが実現した、あの頃の奇跡と重なる。

 どちらも、メンバーの辛い闘いの中から生まれる強いエネルギーがうねりとなり、その圧倒的な音楽が人々に届き、伝わり、広がり、他のアーティストにはない運命共同体的なファンがどんどん増えていく、その過程で奇跡が生まれているからだ。

 この2つの不思議な相似。そして四半世紀という長い時間をかけつつ、過去、日本人が誰も達成し得なかった野望を実現に向かわせている、途方もないエネルギー・・・。

 これは一体何を意味しているのだろう?


 

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