人間というのは、それほど器用な生きものではないのだろう。
33年間音楽業界にいると、多くのアーティストやクリエイターと知り合うけれど、久しぶりに会っても良い意味で「変わらないな・・・」と感じることはよくある。
特に作品の生みかたや表現のしかたがオリジナリティに溢れた人ほど、そういう傾向は強い。
長年同じ姿勢で表現をしているアーティストに「デビューからずっと変わらないねぇ…」と話しながら、二人で笑う、そういう時間は悪くない。
たとえそのオリジナルな姿勢を確立するのにデビュー前、何年かかかったとしても、一度確立したその姿勢で多くの人に伝わる作品を生み、多くの人の心を打つパフォーマンスができれば、その姿勢は変える必要がなくなるのだろう。
とはいえ、いわゆる音楽業界あるいは芸能界といった世界で見ると、Xが展開してきた世界はそんなオリジナリティの豊かなアーティスト・クリエイターの中でも際立ったところがある。
それは
「本人たちがその姿勢に飽きたりしない」
「どんなに同じ姿勢でいてもマンネリには陥らない」
この2つだ。
ライブのクライマックスで、イントロのあと「紅だーー!!」というTOSHIの叫びから始まる「紅」
ライブ本編のラストを飾り、「Xジャンプ」で広い会場がひとつになる「X」
そしてアンコール後、別れを惜しみながら会場全体が合唱する「ENDLESS RAIN」・・・。
音楽的なアレンジも、ライブの中でのありかたも、27年間まったく変わっていないけれど、毎回新たにファンの心を揺さぶり、歓喜と涙、興奮と感動が広い会場を包む。
その理由は大きくとらえて2つある。
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