音楽プロデューサー 津田直士の 「人生は映画 主人公はあなた」

【夢と夕陽】33. hide 生誕50周年記念 〜 HIDEとhideが遺したもの ③『 ピュアが導く HIDEの永遠 』

2014/12/30 03:40 投稿

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 理由はわからない。

 なぜかHIDEと過ごした記憶の中では、いつも柔らかくゆったりした時間が流れているのだ。

 ソロアーティスト、つまりhideとしての活動があまりに素晴らしくて嬉しくなった僕は、ある日、HIDEの家へ遊びに行き、久しぶりにたくさん話をした。


 その頃のHIDEはクリエイティビティが炸裂していたようで、ジャンルを超えた様々なアーティストとのコラボレーションをしながら、作品をどんどん創っていた。

 それら進行中の音源を聴かせてもらったり、現在やこれからの音楽について思うところをお互いに語り合ったりしながら、とても楽しくクリエイティブでエキサイティングな時間を過ごした。

 やがて、HIDEの才能がhideというソロアーティストの作品と活動で、
見事に輝いていることが嬉しくて、hideというアーティストの素晴らしさを僕なりに熱く語っていた時だった。

 それまで穏やかに笑っていたhideが突然、真剣な表情になって、

 こうやって新しいことやっててもソロやっててもさ、とにかくおれはエックスのギターだからさ。

 とつぶやいた。

 ライブの後に話した時と同じメッセージだった。

 理由はわからない。

 相手が僕だから、かも知れない。

 でも、HIDEの強い想いは伝わった。

 そして、もはやX JAPANの関係者ではなくなっていた僕に、その大切な想いを話してくれるHIDEの気持ちを嬉しく感じ、深く受けとめた。

 そのつぶやきをきっかけに、HIDEはしばらくの間、X JAPANへの想いを話してくれた。

 それを聞きながら、HIDEやメンバーが、明確に世界という広い視野でバンドのことを考えていることがよくわかった。

 そして世間での立場がどう変わろうと、心の状態と高い志、そして熱い想いが、出会ったばかりの頃と何も変わっていないことが嬉しかった。

 やっぱりHIDEはプロデューサー的な視点でX JAPANというバンドを観ていた。

 そして、変わらずにピュアで、赤ちゃんそのものだった。 


 

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 時間の持つ力は大きい。

 ある時期、僕たちには「未来」がなかったのだ。
 
 そして「過去」すら悲しみに覆われてしまっていたのだ。

 けれど・・・

 16年経った今
年 歴史が変わった。

 新たな夢の始まりを、僕たちは観ることができた。

 僕は、自分自身がXになってまで前進している強いYOSHIKIに、
心の底から感謝している。

 そしてX JAPANというバンドに感動している。

 未来を見せてくれたからだ。

 苦しみや悲しみを乗り越え、新しい歴史が始まっているのも、バンドのメンバーとバンドを支え続けた運命共同体が、そしてX JAPANというバンド自体が、ちゃんと「生きている」からだ。

 作られたモノでなく、何かのおかげで守られているわけでもなく、ちゃんと自分の足で立って、自分の力で歩き、心の痛みに全てを失いそうになっても、未来へ向かい続けたからだ。
  
 そして、とうとうX JAPANという型破りなバンドは、あの頃メンバー同士が熱く共有していた高い志を実現し始めた。

 世界的なアーティストとしての活動だ。


 

  

 そんな今。

 僕たちはHIDEという大切な人を想いながら、どうすれば良いのだろう。



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 『 ピュアが導く HIDEの永遠 』
 

 

 いま僕たちは  HIDEの想いやHIDEの望みを考えて

 HIDEが僕たちに遺してくれたものがいったい何だったのか

 ゆっくり考えることができる。

 だから
 
 それをちゃんと理解して 受けとめて

 未来に向かえたら

 と僕は思う。

 たとえ会えなくて  寂しくても  
悲しくても

 きっと
僕たちは未来に向うべきなんだ。

 なぜなら

 そうすることでHIDEの心や生きかた そして 作品が

 永遠になるはずだからだ。





 HIDEとhideが遺したもの。

 それは『ピュアであることの強さと尊さ』だと思う。

 なぜなら
 
 音楽 ロック バンド そしてファンを愛すること・・・

 HIDEの場合 それがみんな

 ピュアの上に成り立っていたからだ。





 僕たち HIDEを見つめる人間は

 HIDEの 凄さや かっこ良さや 優しさを

 その姿と作品から しっかりと受けとっていた。

 受けとって 

 驚き、喜び、
興奮し、感動していた。

 それはちょうど HIDEが望んでいたことだった。


 だから・・・。


 『ピュアであることの強さと尊さ』も

 受けとめたい。

 分りたい。

 感じていたい。

 そして できることなら僕たちも

 それを胸に 前へ進みたい。
 




 僕たちは今年 とても大切なことを知った。
 
 それは

 YOSHIKIの中に ちゃんとHIDEが生きている

 ということだ。

 ライブでそれを実感できたから

 僕たちは 心の底から安心して

 X JAPANが7人だと思えた。

 そのことで『 X JAPANの輝く未来 』も確信できた。

 
 そう、HIDEは いる。



 
 HIDEは・・・。
 
 今 世界の至るところにいる。
 
 X そのものになったYOSHIKIの中に。
 
 永遠にメンバーである X JAPANの中に。 
 
 HIDEを愛するファンの心の中に。
 
 HIDEから光をもらったアーティストの中に。
 
 そして何より

 多くの人が大切に聴いている

 HIDEとhideの作品の中に…。


 
 
 
 HIDEが hideとして 圧倒的な存在になりながら

 X JAPANのギタリストHIDEにこだわっていたのは

 X JAPANの可能性が無限だと わかっていたからだろう。

 そして X JAPANの可能性が無限なのは

 メンバーがみんなピュアだったからだ。





 HIDEは 自分がギタリストであるバンドが

 世界に向かっていけることを信じていたのだろう。

 だとしたら・・・。

 それが現実になった今

 僕たちは胸を張って

 未来に向かうべきなのかも知れない。

 何といっても『夢』だったから。

 HIDEが人生を賭けて見つめていた
 
 『夢』だったから。

 それがいま、現実になり始めた。

 だから僕はいま

 HIDEのいる X JAPANを
 
 心躍らせながら 見ていたいのだ。
 




 X JAPANという「生きた映画」は、決して過去には戻らない。

 そして、いつもリアルだけがある。

 リアルだから 未来は本当は誰にも分らない。

 でも。

 ひとつだけ確かなことがある。

 それは ファンの、運命共同体の、一人ひとりの人生それぞれが

 ちゃんと映画だ、ということだ。

 X JAPANというバンドと人生がクロスしている人たちの

 それぞれの映画が集まって

 大きなひとつのX JAPANという「生きた映画」になっている

 ということだ。



 だから僕はいま 澄んだ心から生まれてくる気持ちを

 そのまま伝えたいと思う。


 
 未来を創ろう。

 メンバーに続いて 僕たちも。

 HIDEからもらった

 『ピュアであることの強さと尊さ』

 を胸に。
 
 HIDEの柔らかな笑顔を思い出しながら。



 そうやって見えてくる
 
 『輝く未来』は

 僕たちの大切な HIDEを hideを

 永遠にしてくれるんだ。



 

         2014年12月29日  津田直士

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