12回にわたってお伝えしてきた「主人公という生き方」の秘訣、
いかがだったでしょうか。
なるべく分かりやすく書いたつもりですが、長い間温めてきた内容を一気に書いた
ので、理解しづらい文章がところどころ、あったかも知れません。
また、どんな立場の人でも伝わるように心がけた結果、表現があいまいになってし
まったところもありました。
さらなる秘訣のご紹介など、まだまだこのまま続けることも可能ですが、気がつくと
意外なボリュームになっていたので・・・
この辺でいちど一区切りしてポイントをまとめ、さらに新たな内容を充実させて次の
フェイズへ向かうのも良いかな、と思いました。
そんなわけで今回は、出来る限りシンプルに、分かりやすく、12回の内容を総まとめ
してみたいと思います。
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よかったら、あなたがまだ幼かった頃を思い出して下さい。
物心ついて気がつくと、たくさんのものに囲まれていましたよね。
周りの人たち、
家の中のもの、
近所や遠くの街、
幼稚園や学校、
世間というもの、
テレビに映る世界の様子…。
そのたくさんのものは、幼いあなたに比べると、ずっと長い時間を経てきた歴史の
重みがあり、強くて大きな力を持っていました。
そして、それぞれにちゃんと意味があってルールもありました・・・。
ここまでは当然のことです。続けましょう。
あなたはまだ幼かったので、その意味やルールをしっかり身につけることを、
毎日教わりました。
そして、それをちゃんと身につけると褒められ、常にそれを同年代のお友だちと
比べられていました。
そんな風に日々を過ごし、意味やルールを身につけ、
たくさんのものに囲まれていたあなたにとって、
自分以外のすべては、疑問の余地のない、完成された世界に見えました。
でも、その世界の中で、自分という存在が一体何なのかを、
あなたに教えてくれる人はいませんでした・・・。
はい。ここが問題です。
ここで、誰かがあなたにそっと教えるべきだったのです。
「きみもそろそろ色々なことが見えてきたね。
でもね、周りのものに飲み込まれちゃだめだよ。
なぜって、周りのものも、決してすべてが正しいわけじゃないんだ。
だから、本当は何が正しくて何が間違っているのかを、ちゃんと自分の目でわかる
ようにならなきゃダメだ。
それと、これは大事なことなんだけど、きみの人生は、きみのものなんだ。
だから自分で創っていいんだよ。きみは、きみの人生の主人公なんだ。」
と。そして、
「意味やルールを身につけるのは、それがきみの人生を豊かにする便利な道具だから
なんだ。
でも、一番大事なことを忘れちゃだめだ。
きみは、自分の人生を創るために生まれてきたんだから、それが一番大事な目的だ。
そのために、その便利な道具を使えば良いんだよ。
だから、お友だちと競うことなんか、大した意味はない。
そんなことより、きみの人生が輝くために、
きみ自身が強くならなければならないんだ。
もし強くなりたかったら、きみが好きなこと、きみにしかできないことを、
たくさんたくさん積み重ねるんだ。」
と。
しかし残念ながら、誰も教えてはくれません。
そうして、周りが正しくて圧倒的だと感じながら、お友だちと競わされながら、
成長していきます。
やがて、教えられなくても錯覚に気づく時は来ます。
小学校高学年になってくると、完成されたかのように見えたものが、
ところどころつじつまが合っていなかったり、
ちゃんとしているようで実はとてもいびつなカタチをしているものが
いくつもあることに、だんだん気づき始めるのです。
でも、それについて誰も教えてくれません。
そして14才位になると、もはや正しいと信じていたものが、
みんな間違っているようにすら思えてきます。
ああ、みんな、錯覚だったのかも知れない、と思い始めます。
おまけに自分自身をコントロールしきれず、
自分が生きている意味がないくらいにちっぽけで醜い存在に思えたり、
むしろ自分は他人にはわからない圧倒的な可能性を持った特別な存在だと思えたり、
繊細なその心が、わけの分からない暴走をし始めます。
そう、大人になり始めた時に、本能が気づき始めるのです。
本当に大切なことを何も教わっていない。
今までのすべてが間違っていた気がする。
本当の答えが知りたい。
でも、分からない。
分からない自分はダメな人間なのかな・・・。
それでも何とか毎日を過ごしていると、やがて
「真っ当に生きていく自分なりの生き方」が徐々に身につき、
気がついたら社会人というものになっていて、
つまりいつの間にか自分自身が、あの幼かった頃に強くて大きな力を持っている、
と感じた「社会」の一部になっているわけです。
今の社会で、なぜ、一番大事なことを大人が子どもに教えないのか、
僕には分かりません。
一番大事なことを知らない大人が多いことも、その理由のひとつかも知れません。
でも、本や映画、音楽やアニメなどは、
ずっと昔から、この一番大事なことを伝え続けているのです。
理由は簡単です。
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