前回書いたように、YOSHIKIのアーティストとしての姿勢は、常に300年以上の歴史を持つ芸術としての音楽というものの本質と向き合いながら、自分の音楽を追求し、人生を懸けて作品を生み出し、表現するというものであり、30年以上前から常にそうであり続けてきた。
  
 ただ、僕がそのようなことを強く感じるのは、あくまで「アーティストとしてあるべき姿」をYOSHIKIに見て、そこに深く感心する僕なりの視点によるものだ。

 YOSHIKI本人は当たり前にそう生きてきたわけで、特別にその姿勢について意識するわけでもなく、またそれが他のアーティストとどう違うのか、といったことにもさほど興味はないだろうと思う。
 
 そしてYOSHIKI自身は、そのような姿勢で生きてきたこと、そのような姿勢でアーティスト活動を続けてきたことによる、大きな恩恵についても特別、自覚はないのだろうと思う。

 だから今回僕は、このことを文章にしてみようと思った。
 
 日本人アーティストとしては稀有な姿勢でアーティストとしてあり続けるYOSHIKIが、そのおかげで本人が気がつかないうちに何を得ているのか、という内容だ。


 
 そもそもYOSHIKIがその独特な姿勢、つまり「300年スパンで見た際に芸術家として正しい姿勢」であり続けてきたのは何故なのだろうか。