思えば、マディソン・スクエア・ガーデン公演とその直前の横浜アリーナ公演を観てから、5年という長い月日が流れた。
 
 「すべての始まり」の執筆から5年後、再び『Xという物語』について僕が文章を書き始めてから、さらにまた、5年が過ぎたわけだ。
 
 「すべての始まり」を出版してから5年間は、Xについてまったく文章を書かなかった。

 けれど、2014年から突然『Xという物語』について書き始め、それから小冊子にして1000ページ以上というたくさんの文章を書き続けているのは、2014年以来、Xの活動が、僕個人にとって大変リアルだからだ。
 
 たとえ僕が30年ほど前にXのプロデュースを手がけていて、その頃の記憶がたくさんあるからといっても、僕が書いているのが回顧録だったら、1000ページもの文章を書き続けることは難しいだろうし、そもそも書く気力は生まれない。

 では、僕がなぜ1000ページもの文章を書き続けているのか。