音楽プロデューサー 津田直士の 「人生は映画 主人公はあなた」

復刻版【夢と夕陽】50. 『100年残る音楽』 を生み続けるYOSHIKI.17 【ART OF LIFE -14】

2018/04/20 01:00 投稿

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  • 津田直士
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 2015年4月28日に配信されたブロマガ記事を復刻版としてお届けします

オリジナルは http://ch.nicovideo.jp/tsudanaoshi/blomaga/ar779436 になります



 【 ART OF LIFE ⑭】


  
 Piano Solo(15:06 〜) 


 前半が終わり、いよいよピアノソロが始まる。
 
 このセクションのベースにあるのは、坦々と続くピアノのリフレインだ。
 
 基調となるメロディーを音階で表すと、

 『ミーファーソーファ』
 
 実にシンプルだ。
 
 メロディーを支えるコードも、Am - Fの繰り返し、と、これもまたシンプル。
 
 けれど、そのシンプルな中に、YOSHIKIが表現したい微妙な感情や、心の温度感のようなものがちゃんと息づいていて、聴く人にしっかりと伝わってくる。
 
 僕にはそれが、YOSHIKIが自分自身を見つめている状態のように感じられるのだ。
 
 そのベースとなるリフレインに、少しずつ音が重なっていく。


 
 このピアノソロを聴くと、やはり二人でスタジオに籠ったデモテープ創りの、あの時を思い出す。

 前半が完成すると、次はピアノソロだ、とYOSHIKIから知らされる。

 譜面を見せてもらうと、かなりシンプルに見える。
 
 まずベースとなるリフレインをレコーディングしていくことにする。

 時々オクターブが変わったり、リフの代わりに上へ上っていく8分音符のフレーズになったりしながら、ソロの世界が構築されていく。

 いつものように、時々首を傾げたり譜面を確認したりしながら、ベースとなる部分が出来上がっていく。

 やがてそれが終わると、今度はそのフレーズに重ねるパートを弾いていくのだ、とYOSHIKIが説明する。

 (ピアノにピアノを重ねるのか・・・)

 漠然とそんなことを考えながら、その作業のためにトラックを整理する。

 準備が整うと、YOSHIKIはそのベースとなるトラックを聴きながら、時々ピアノを弾く。
 
 いつもと違って、そのための譜面はないようだ。
 
 少し弾いては、YOSHIKIが(なるほど・・・)という表情を浮かべたり(おかしいな・・・)という表情を浮かべたりするのだが、僕にはどんな演奏が正解なのか、さっぱり分からない。
 
 でも、YOSHIKIにはきちんと表現したいイメージがあるのだろう、慌てることなく、試行錯誤をしながら、音を重ねるための演奏を続ける。
 
 そのうちに、僕は少し不安になってきた。
 

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