というわけで、つづきです。
前回、なぜ津田直士は
仕事の時は倒れない。
仕事がない時に倒れる。
という芸当ができたのか、という理由を、面白おかしく書いたのだけれど、もう少し真面目に書くと、
「仕事の時は倒れない」のは、よくいわれる
「気が張っていると風邪をひかない」というやつのこと。
つまり、仕事に穴をあけない、ということは、レコーディングや打ち合わせなど自分の存在が重要な時は、気が張っているので病気にならない、ということを意味している。
あの懐かしい伝説の時代でいえば、メンバーが倒れる可能性が高い状況は、すなわち僕自身が最も必要とされる状況なわけだから、僕は最も気が張っているわけで、だから倒れない、というわけだ。
前回の
『YOSHIKIが倒れるから、津田直士は倒れなかった』
あるいは
倒れるまで命を賭けるYOSHIKIのために・・・身体ボロボロで未来へ向かう5人のメンバーのために・・・津田直士は倒れなかった。
『津田直士鉄人伝説』は、責任感が生んだ体調管理能力の結果だったのだ!!!
と表現したのは、このあたりを象徴的に書いたまでのことだ。
では、「仕事がない時に倒れる」というのは何を意味しているのか。
実は、こちらがとても重要なポイントであり、今回の件含めて今も僕が実践している、仕事上の体調管理の話なのだ。
説明してみよう。例えば・・・
毎日何かと忙しく仕事をしていて、ある時ふと、何だか体調が思わしくないな、と気づく。
で、早速だけれど、ここからがポイント。
周りの人たちを見ていてよくあるのが、「ちょっとだけ具合が良くないけれど、まあ、ちょっとなわけだし、仕事も色々あるから、とにかく仕事を頑張る」と、体調不良を軽くとらえるパターン。
一方、僕が心がけているのはそれとは違い、「何だか体調が思わしくない」時点でアウト! という考え方。
つまり「仕事は常に健康な状態で」を基本と考え、少しでも体調が思わしくなければ、
① すぐに原因を究明する。
② その原因から、最速で健康体に戻すための方法を確認する。
③ 自分が必要とされる重要な状況に至る前に、空いた時間で素早く手当てを施し、場合によってはきちんと休み、すぐに完治し、仕事に復帰する。
というステップを、めっちゃ真剣に実行するわけだ。
だから、軽い風邪だったら、すぐに風邪シフトをとって仕事を切り上げ、体調の具合を確認してしかるべき処置を施した上で、さっさと寝てしまう。
絶対にダラダラと仕事をしたりしない。
ここで重要なのは、
『仕事の優先順位を明確にする』ことと、
『体調管理を怠らず、不調の際は最優先で原因を突きとめる』ことの2点だ。
仕事を始めて30数年経っているけれど、これまで僕の周りにいた人たちは、僕が少しでも体調が思わしくないと結構大騒ぎするので、みんな大抵びっくりする。
けれど一方で、その人たちは、僕が必要とされる大事な仕事に決して穴をあけないことも知っている。
僕がちょっとした異変でも、すぐに体温を計ったり、薬局の薬剤師に相談したり、#7119に電話をしたり、病院に飛び込んだりするのは、
『自分が本当に必要とされる状況』を把握し、
『その時に万全でいるために最善を尽くす』ためであり、つまりは
『仕事に対する責任感』によるもの
・・・なのでした。
ところで2003年にフリーランスになってからも、決して仕事に穴をあけない『津田直士鉄人伝説』は続いていたのだけれど、2010年のある夜、ちょっとした会合に体調不良で参加できなかったことがあって、残念ながら完璧を誇った記録は破られた。
でも・・・幸いまだ神様は僕を見捨てていないようだ。
というのも、今回の腓腹筋不完全断裂(いわゆる肉離れ)や1年半前の急性虫垂炎切除手術(いわゆる盲腸)、そのさらに半年前、最初の急性虫垂炎(この時は薬で散らした)などに見舞われた際も、幸運なことに、僕が倒れたら大事になってしまうような責任ある仕事をきちんと済ませた直後に、発症しているのだ。
思い返すと、フリーランスになってから13年の間に、インフルエンザに3回、ノロウイルスに1回やられているけれど、それらは見事にすべて『お正月休み期間中』だった。
おかげで、フリーランスとしては致命的な『仕事の〆切に間に合わない』といった事態とは無縁だし、僕を必要としてくれる重要な打ち合わせに欠席したこともない。
以上、何となく一見格好いいことを書いてきたが、実はここまで体調に敏感なのは、ちゃんとした理由がある。
とにかく僕は常に健康でいたい。
痛いのも嫌いだし。
それに・・・
僕が仕事の現場で体調が万全であることを心がけている最大の理由は、責任感もあるけれど、もうひとつの方がずっと大きい。
それは・・・。
僕の仕事の現場では、実は「笑い」が重要だからだ。
音楽は愛だ。
だから音楽を生み出し、それを表現していく現場には、
愛が満ち溢れているべきだ、と思ってずっとやってきた。
だから僕はいつも「笑い」を求めるのだ。
仕事をしている場所で「笑い」が沸き起こると、僕は安心する。
そのために、僕は笑顔でいたい。
常に誰かを笑わせていたい。
だから・・・
万全な体調でいたいのだ。
僕にとって
健康であることは
『笑顔』のためなんです。
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