こんにちは。津田です。


この書き出しでわかるように、同じブロマガでもこの新連載『Usual Days』は『Innocent Eyes』よりずっと軽く読み流せるタイプの読み物です。文体も非常に軽めです。


もちろん並行して『Innocent Eyes』も連載していきますから、どちらもそれぞれ楽しんでもらえれば、と思います。


『Innocent Eyes』が伝説のバンドに関わる話を中心とする作品であるのに対して、こちらの『Usual Days』は、僕が日々の暮らしで想うことを中心に綴るエッセイ、いわゆる一般的な『ブログ』のようなものだと思って下さい。




INAちゃん主催の電脳音楽塾で、のべ6時間近くにわたって講座を開催した翌日の16時半。


17時からのツダミアワンマンライブ打ち合わせを控えて急いでいた僕は、道路を横断しようとして、ダッシュした。


その瞬間、右足のふくらはぎに強い違和感が走って、歩道についた途端、不安で冷や汗が吹き出した。


「ズン!」という鈍い衝撃が、身体に緊急事態が発生したことを予感させた。


左足と両手を使い、必死の思いで近くの整形外科へ飛び込んで診察を受けると、筋肉が断裂しているという診断が下った。


やってしまった・・・。


10月の抜歯に続き、たった2ヶ月で身体の問題がまた発生。


これはいけない。


翌日のエコーによる診断も併せて推察すると、快復するまで年内いっぱいかかるらしい。


身体だけは基本的に調子の良い僕には珍しいことだ。


56才になったことだし、今後は健康管理に一層の気配りをして、さらにツダミアとして演奏の機会が増えていくことだし、トレーニングの習慣も心がけなくては・・・と思う。


それにしても、身体のことだ。


足を痛めたのをきっかけに、身体のことについて思うまま、綴ってみよう。





つい最近まで、長年自慢していたことがある。


それは『体調の不具合が理由で仕事に穴をあけたことがない』という自慢だ。


これは周りの人たちを見る限り、大変貴重なことだ、と自慢できることだった。


とりわけ、仕事に穴があいたかどうか、が如実にわかる会社員時代、つまり23才から41才頃までは、その自慢が極めて有効だった。常に証人がいるからだ。


何しろ、『体調不良により、必要とされる場面で津田直士がそこにいない』という事態を、誰ひとりとして経験していないのだから、その特別感は際立っていた。


24時間態勢で身体を酷使するのが当たり前の音楽業界で特別なのはもちろん、Xという極めて過酷な現場が続く中でその自慢をされたら、周りは何も言えなくなってしまう。


「BLUE BLOOD」のレコーディングは2ヶ月半、全く休む暇なく続けられたし、「Jealousy」のレコーディングの過酷さは、その期間だけでもその3倍以上なのだから、推して知るべし、だ。


にも関わらず、津田直士は体調不良で仕事に穴をあけることはなかった。


残念なことに、Xに関わるどんな文献にもそのような記述は全く見当たらないのだが、とにかく事実は事実だ。



『津田直士鉄人伝説』である。


しかし不思議なのは、鉄人津田直士も、体調不良が皆無であったわけではない、というところだ。

鉄人のように見えて、実際には風邪もひくし、インフルエンザにもかかる。
過労で震えながら熱を出して12時間寝るときもあるし、腰痛や首の捻挫で治療に通うのは日常茶飯事だ。

なのに、なぜ『津田直士鉄人伝説』は生まれたのか。

答えは単純だ。

仕事がない時を狙って倒れていたのだ。

なので結果的には、

仕事の時は倒れなかったことになる。

だから周りから見ると・・・


必要な時に、津田直士は常にエネルギー満載でそこにいた。

どんな時にも、そこにいた。

津田直士は決して倒れなかった。

そう。

『YOSHIKIが倒れても 津田直士は倒れない』



では、なぜ

仕事の時は倒れない。

仕事がない時に倒れる。

という、引田 天功のマジック並みの芸当ができたのか。




この理由も簡単だ。

先ほどの、笑うに笑えない、標語のような名コピーを再度ご覧頂きたい。

『YOSHIKIが倒れても 津田直士は倒れない』

これがヒントだ。




思えば、高校3年生の冬、到底受かるとは思えない無惨な模擬試験の結果を携えながらも、自信満々、堂々と早稲田(商)&慶応(文)のたった2校のみの受験を控えていた津田直士は、受験当日の約1ヶ月前に美しいほど完璧なインフルエンザを発症し、克服後は完璧な体調で受験に臨み、平常心を保つために早稲田では校舎の建築を注意深く観察し、慶応では女子受験生の多さに驚きつつ敢えてその女子たちを不浄な気持でいやらしく観察し、どちらも試験が始まるや冷静さを貫徹して闘いを終え、無事、女子に気をとられなかった早稲田で合格を勝ち取ったのである。

そう。

津田直士は本番に強い。

いや、もっと言えば、『本番のために予め捨てインフルエンザに罹る』ほど、目的のために手段を選ばない的手法により優先順位の高いものへ全力を注ぐのが非常に得意な特異体質(ちょっと韻踏み)なのだ。




では、そろそろ答えを提示しよう。

『YOSHIKIが倒れても、津田直士は倒れない』
   ・
   ・
   ・
   ・
なぜ津田直士は

仕事の時は倒れない。

仕事がない時に倒れる。

という、芸当ができたのか。

   







なんと・・・!!


















『YOSHIKIが倒れるから、津田直士は倒れなかった』

のだ!!
   

そう。

倒れるまで命を賭けるYOSHIKIのために・・・

身体ボロボロで未来へ向かう5人のメンバーのために・・・

津田直士は倒れなかった。



『津田直士鉄人伝説』は、責任感が生んだ体調管理能力の結果だったのだ!!!






マジなのよ。これ。

な・の・で

・・・つづく!