『We Are X』を多くの人たちに、とりわけX JAPANに馴染みのない人にも観て欲しい、と願う毎日なのだが、その理由はシンプルだ。

まず、X JAPANの物語が他には類を見ない圧倒的に特別なもので、その壮絶な物語が、『We Are X』を観ればきちんと心に入っていくからだ。

では僕は、なぜその壮絶で特別な物語をX JAPANに馴染みのない人に観て欲しいのか。

それは、そこに今という時代にあまり見かけなくなってしまった、刺すように尖った

『光』があるからだ。

物語は最後まで重い。

心の痛みが決して消えない、という辛い現実を、YOSHIKIは最後まで伝え続ける。

心の痛みだけではない。

満身創痍のYOSHIKIは、痛みと共存しながら寝ない日々を送り、ひたすら音楽を生み、残し、伝え続ける。

それなのに…

YOSHIKIは輝く光に包まれている。

X JAPANのメンバーは、ステージで光となってファンを包む。

その光は世界に広がっている。

たった今も毎日、毎日、広がり続けている。

その光の美しさを、『We Are X』は大きなスクリーンと豊かなサウンドで観る人に鮮やかに伝えてくれる。

観終わった人の心に残るもの。

それは、同じように心に残る痛みと向き合おうとする意識、そして『光』に導かれてその美しさに震える心だ。

映画『We Are X』は、X JAPANの物語であると同時に、今のYOSHIKIをそのまま映し出している。

そして、今のYOSHIKIは音楽で未来を創り続けている。

そう。

刺すように尖った『光』は、今のYOSHIKIが生み出す音楽そのものなのだ。

諦めてしまう気持ちで覆われた今という時代に、前へ進む『光』を見せてくれるX JAPANの音楽を、

今こそ沢山の人に伝えたい、と僕は思う。