私は一切なにも聞かされていなかったのですがなぜか金曜日担当になっていました。
そんな我らが音速兄貴の1年ぶりとなる東京ワンマンライブですがチケットの一般販売がもう始まってます。
10月21日(土)12時よりローソンチケット(Lコード:34974)、ローソンやミニストップ、またはWeb上での予約も可能(http://l-tike.com/onsoku-ebisu)です。
当日券もあると思いますが少しばかり前売りより高くなってしまうので前売り券マジオススメ。マジ。
今回の更新で、リレーブロマガは終了となります。
私の更新でラストなのですが昨日更新をすっぽかした五月病マリオ氏がよく分からない全員分のお話を私の前で終わらせてしまいました(ar1362595)
完璧に書くことがなくなった今日のブロマガ、果たしてどうなる!?
私の名前は铃玉(リンユー)。
現代日本でわざわざ文明から離れ、山奥で祖父と2人で暮ら始めてもう10年以上が過ぎていた。
16歳の誕生日を迎えた今日、ついに私は自らの意思でこの山を下りる。
そう、私が愛してやまないロックバンド「SONIC BROTHERS」のライブがあるのだ。
同じ山で暮らすドロシィという名の現代科学を骨の髄まで無視した同い年の魔法使いがいるのだが、彼女がチケットを譲ってくれたので、一緒に見に行くことになったのだ。
実は私は今まで音楽は家で聴くだけで、生演奏ライブというものを体験したことがない。
スピーカーから突き刺さる爆音で潰れて死んでしまうのではないか。
否、いらぬ心配は不要だ。
今日こそはこの日の為に、ありとあらゆる知識を蓄えてこの小さい脳みそに叩き込んできた。
生まれて初めて着るよそ行きの洋服に袖を通しながら、私は改めて注意事項を思い出す。
その壱、荷物は最小限にするべし
大きい荷物は邪魔にしかならない。人生に不要だ。この身ひとつあれば良い。
他の人の迷惑にもなるかもしれない。ライブ会場にいるのは皆、同じバンド好きの同士達だ。
その人達にご迷惑はかけられない。コインロッカーなどに預けるのが得策だろう。
理想は携帯や財布、チケットだけ持って手ぶらで来ることだ。私は小さい鞄だけ持っていくことにする。
汗をかくかもしれないのでタオルも用意した。着替えは……まぁ、グッズのTシャツでも買うか。
その弐、常に我が身を振り返るべし
私は今回、実にシンプルな服装にまとめた。
派手な格好をするほどの度胸もないが、ネックレスやピアスなどはどこかに引っ掛けたらケガをする恐れもある。
ヒールなども危険だろう。山でそんなもの履いていたら半日で命を落としかねない。
また、私は少し髪が長いのだがこれもまとめてゴムで縛った。
結局のところ、全て自分のためでもあり、他人に迷惑をかけないという当たり前のことでもあるのだ。
もし私の付近に不届き者がいたら容赦なく功夫を御見舞する所存だ。
その参、公演中も気を抜くべからず
ライブではチケットとは別にドリンク代(チャージ)が必要になる。
基本的にどのライブハウスもほぼ同じシステムになっているので覚えておくべきだろう。
差し入れは専用のボックスがあるらしいので、誰宛ての差し入れか目立つ場所に書いて入れなくてはならない。
「towacoとrecogは差し入れ不要だよ!お手紙くらいならいいけど!」
振り返ると、そこにはドロシィが立っていた。めちゃくちゃ普段着だ。
急に、めったに人前で着ないジーンズとTシャツの自分が恥ずかしくなる。
「なんだドロシィ、何の用だ。ていうか誰だ、towacoとrecogって」
「本人が言ってたんだよ異世界で!」
「異世界……?」
「それより私もライブってあんまり経験ないから教えて欲しいんだけど、ライブ中は何を気をつければいいの?」
そうだった、ライブ中の注意事項を確認していたんだ。
こいつがライブに付いてくるのは些か不安だが、チケットを譲ってくれたのも他でもないドロシィだ。文句は言えない。
「そうだな、客席は人が多いしもみくちゃになりやすいから、苦手なら外側にいた方がいいんじゃないか?」
「だいじょうぶ!ムカつくやつは全員ぶっ飛ばすから!」
「奇遇だな、私も同じことを考えていた。
だが、気分が優れなさそうな人がいたときはちゃんとスタッフさんに声をかけてあげるんだぞ。
あと、サイリウム的なやつの持ち込みはOKなんだが、いわゆるバルログは禁止だ」
「ええ!?バルログ駄目なの!?」
「そういえばお前、バルログ使いだったな」
「こういうのが駄目だ」
「過度な跳躍ダメなんだ……知らなかった……」
「バルログっていうのは要は手にサイリウム何本も持って振り回すな、危ないからってこと。
あと、録音や撮影も禁止だ。見つけ次第、私が押さえ込むからお前は撃てる中で一番威力強い魔法を撃て」
「分かった!チリひとつ残さない!」
その肆、物販は戦と知るべし
何やらドロシィが急に魔法で空中に絵を描き始める。
「これが今回の物販だ!」
音速来舞 in EBISU Tシャツ2,800円
マフラータオル1,800円
過去のグッズ(バツ印のあるものは完売)
あほあほうんちくんオリジナルグッズ
セピア個人グッズ
「先行物販は13:30から並べるよ!14:00から販売開始で16:00までだよ!
16:30から公演終了後15分間くらい販売してるよ!チケットを持ってない人は17:30~19:00の間なら購入できるって!」
「ちょ、ちょっと待てドロシィ。これはSONIC BROTHERSのグッズじゃないぞ?」
「え、違うよリンユー、音速兄貴だよ音速兄貴」
「おんそ……?ちょっと待てなんだそのダサい名前のバンドは」
「いや直訳だよ気付けよ」
ドロシィが何を言っているのか分からず混乱に混乱が重なる。
聞けば、ドロシィが譲ってくれたチケットはSONIC BROTHERSのものではなく、音速兄貴という似て非なる名前のバンドのライブというではないか。
「いやー、先日異世界から来てイカの世界へ帰っていった変な連中でねぇ。
チケット貰っちゃったんだよ。名前似てるから勘違いしちゃってたごめんね」
「そうだったのか……」
「先日、間違えて召喚したドラゴンいたじゃん?」
「いや、あれはドラゴンではない」
あれ↑
「いやドラゴンだよどこに目つけてるのリンユー?」
「なんなんだお前ほんとうに」
聞けば、あの時召喚したヤバい肉塊(ドラゴン)の退治を手伝ってくれた異世界の住人なんだとか。
彼らを送り届けた際、お礼にライブのチケットを2枚貰ったそうだ。
私が以前からSONIC BROTHERSの話をしていたのを覚えていたドロシィが拙い英語力で『グローバル路線なんだ!』と謎の勘違いをして、1枚私にくれたということだった。
「なんだぁ、リンユーが好きなバンドとは違うのかぁ。ごめんよぉ」
「……まぁいい、行こう」
「えっ、いいの?」
ドロシィが目をぱちくりさせて聞いてくる。
堪えきれずに、思わずくくくと笑ってしまった。
「いいさ、誰のだったとしてもライブっていうのは楽しいもんだ」
私もライブには行ったことないのだけれど。ここは通ぶっておこう。
昨晩、半分嬉しそう、半分いつものドヤ顔で私にチケットを持ってきてくれたドロシィは、本当に私を喜ばせようとしていたんだろう。
喧嘩もするが、10年以上もこいつと友だちでいるのは、そういうことなんだろうなと思う。
「ほら行くぞドロシィ、恵比寿だったか?」
「恵比寿リキッドルームだよ!はやく行こう!」
今日も良い一日になればいい。
今さら私の服装を小馬鹿にしてきたドロシィに蹴りを入れながら、私はそう思った。
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イイハナシダナー