『富田美憂さん、天津向さんインタビュー完全版』
――今日はお集り頂きありがとうございます。まず向さんにWARAI-GOE全体のところからお話を伺いたいなと思います。
向 はい。
――今回2年ぶりの公演になってますが、元々この声優×芸人のWARAI-GOEをやろうとしたきっかけだったり動機だったりを、ちょっと教えていただけたら。
『富田さんなら大丈夫と思った』
向 今の声優さんってバラエティーとかめちゃくちゃやられてるし、むしろ下手したら芸人より大喜利とかコーナーとか、そういういろんなイベントやってたりするんですよね。声優さんのそういう部分と、芸人も脚本が書ける方もたくさんいるし演技も上手い人もたくさんいるんで、そこで組み合わせたいっていうのが始まりですかね。実際2年前にやった初回は、めちゃくちゃ良くて。今回もやらせていただくということで、富田さんにお声がけして、
――富田さん出演の依頼をしようと思ったきっかけは?
向 僕このWARAI-GOEの声優さんキャスティングは、本当に全部僕から事務所にオファーさせていただいてるんですけど、富田さんはもういろんな作品でもご一緒してますし、もう演技も当然当たり前みたいに上手ですし、本人を目の前で言うのはあれですけど、一流ですから。こういうイベントを富田さん自身も楽しんでいただけるんじゃないかな、と思って、オファーさせていただきました。
――富田さんは向さんからオファーがあった時どう思われましたか?
富田 そうですね、事務所から私にお話があるより前に、向さんと別の現場でお会いしたときに、イベントやるときに呼んでもいいですかって直接聞いてくださっていたんです。それがすごく嬉しくて。やはり向さんとご一緒するときって、向さんがMCをやってくださって、そこで作品についてお話をするという場がほとんどで、向さんがプロデュースしていらっしゃるイベントに出るというのが、今までにない形だったので。
向 本当は直接声優さんにお仕事の話をするのはマネージャーさんからすればすごく嫌だと思うんですけど(笑)
富田 (笑)向さんとは作品のイベントや配信でよくご一緒するんですよ。その時は、誰々役の富田美憂でご一緒することが多かったんで、朗読劇なんで役はあるんですけど、何かその作品を背負ってない状態でお仕事するっていうのが、今までの向さんとのお仕事とはまた何か違う感じがして楽しそうだなと思いました。
向 そうですね。僕も自分がプロデュースしたライブで、富田さん相手に下手打てないというのもあり、そういう意味の背筋が伸びた状態でお会いできるっていうのが何か楽しみですね。
『実はデビュー前から向さんとは会っていて』
――向さんから見た富田さんはどんな印象でしょうか。
向 さっき言った演技が上手いっていうこともありますけど、あとは何でしょう、ちゃんと熱い主観を持っているけれどもそのすごく全体を捉えている自分もいる、みたいな。他のイベントでご一緒した時に思ったんですが、歌の時とかもやっぱりお客さん皆が楽しめるような立ち振る舞いをされてるイメージがあって。
――全体を俯瞰でとらえていると。
向 だからアーティスト、演者としての目線プラスやっぱり、お客さんが今どんな気持ちでいるのかっていうことを考えながらやられてるのかなと。そういう意味でのすごいクレバーというか、優しさとクレバーを持ってる方だなというのはすごく思います。……全然違いますって言われたらアレですけど。
富田 (笑)でも確かに、色々なライブに行ったりするので、お客さん目線で、演者さんのこういうところ見たいな、とかを想像しながらステージに立っていますね。。
向 そういう気持ちがお客さんにはちゃんと届いてるからこそ、やっぱりステージ自体もすごくクオリティが高いというイメージがあって。だからやっぱり自分がプロデュースするイベントにおいて富田さんがいてくれることの安心感はめちゃくちゃあります。
――素晴らしい信頼ですね。では富田さんから向さんの印象は。
富田 向さんは、実はデビュー前からお会いはしていて。
――そうなんですか!
富田 私が素人の頃に出ていたオーディション番組のMCが向さんで。だから、13、14の頃にお会いしているので、こうやって並んでお仕事してるのが本当に不思議で。
向 いや本当ですよね今考えたら。
富田 オーディションを受けたときは声優になると思っていなくて。当初歌手志望で、歌のオーディションにも出てたので、今声優として番組でご一緒しているのがなんだか不思議な感じで。両親も、そのときから向さんのこと知ってるから『今日向さんなんだね』と言ってたり。
向 えー、嬉しい!
――その時のこと向さんは覚えていますか?
向 そうですね。あのときからもう歌もすごかったし、14歳の歌声じゃなかったっていうのもね、お前後出しじゃん、ってなるけど、それはもうはっきりと覚えてます。
富田 ありがとうございます。
――付き合い自体はだいぶ古いということですね。
富田 はい。下手したら事務所の方々より長いですよ。
向 マジですか?あ、そうか。入る前ですもんね。
富田 そういう意味では向さんが業界で一番長く見てくださってるかもしれない。もう師匠みたいな感じです。
向 いやいやおこがましいですおこがましいです。僕は富田さんを『頑張ってるらしいね』くらいで応援してた隣人ぐらいです(笑)
――師匠から随分変わりましたね(笑)
向 だから14歳のときからこうやって知っていた富田さんが、自分のイベントに来ていただけるっていうのは、僕もすごく感慨深いです。
富田 ありがたいです。
『お芝居として持って帰れるものがある』
――今回はたくさん芸人さんも出ますが、富田さん自身芸人さんとお仕事する機会はあるのでしょうか?
富田 最近になって増えました。ここ数年で声優さんの現場に、芸人さんが来てくださることが増えた気がしてます。
向 例えば誰ですか?
富田 えー……向さんでしょ!
向 ありがとうございます(ニヤリ)
――いやらしい(笑)
富田 私チョコプラさん大好きなんですけど、声優さんと絡みがあったりしてる印象あります。
向 確かに。富田さん、チョコプラお好きなんですね。
富田 大好きです!
向 他って誰か好きな芸人さんいますか?
富田 錦鯉さんも好きですね。
向 へえ!こういうの聞いておくと、WARAI-GOE来年やりましょうとなって、富田さんお願いしたいな、それならちょっとチョコプラ当たってみようかみたいなことにはなるかもですね!
富田 ええ!……でもちょっと推しとその距離感になるのはちょっと……
向 距離取りたいタイプのオタクなのか(笑)
――富田さんは、芸人さんにどんな印象をお持ちですか。
富田 とても頭がいいんだろうなって思います。お芝居でも、笑う空気を作られてたりとかするじゃないですか。それがすごいなと思います。お芝居上手の方もたくさんいらっしゃいますし。
――確かにお芝居上手な芸人さん多いですね。
富田 それに、何か大喜利とかなったときに、すぐボールを返してくれるじゃないですか。そういう頭の回転の速さじゃないと、芸人さんできないんだろうなっていう。事務所入りたてのときに、落語とお笑いは勉強になるから見なさいって言われていたくらい、すごくリスペクトしてます。
向 すごいですよね、それを言われて実際見て勉強した富田さん。
富田 勉強しました!それこそセリフだけで笑わせるのが全てだと思ってたんですけど、そういうわけでもないじゃないですか。
向 間とかですよね。
富田 だから今回も、おこがましいかもですけど、お芝居として持って帰れるものがあれば持って帰りたいと思っています。
向 いや、これね、出て頂いた声優さんが本当にそういうふうに初体験とか楽しかった!って言ってくださるんですけど、これ芸人も一緒で。終わった後に、もう全芸人が『声優さんの演技すごかったっすね』って言って、めちゃくちゃ刺激持って帰ってくれるんですね。これが本当にありがたい。
富田 そうなんですね。
向 双方が喜んでくれている声を聞いた時、すごくこのイベントをプロデュースしてよかったなと思いますね。
――プロデューサー冥利につきますね。
向 そうですね。
――向さんは声優さんと仕事されることがかなり多いと思いますが、何か意識されてることとかありますか?
向 いやでもそんなにないですけどね。どうなんでしょう。
富田 向さんは声優さんとの距離感をわかってくれてるなとは思います。
向 いや、そんなこともないとは思いますが、でもやっぱり自分自身ももともとアニメ好きで声優さん好きでっていうところから今の仕事やってるっていうのがありますから、やっぱり一番大事にしているのはリスペクトして作るってことですかね。
――リスペクト。
向 なんか格好つけてるみたいな感じですね(笑)まあどういうのが正解か分からないんですが、このコーナーは声優さんはやりたくないかもな、とか、そういうのは意識するというか、それくらいなんですけど。声優さんが楽しくやってるのをお客さんは一番見たいんだから、そっちの方向がいいよねとは思ってます。そこに向かって僕ができることをフルでやるって感じですかね。
富田 だから声優さんがやりやすいようにしってくださっているんだろうなって印象があります。
向 あ、本当ですか!嬉しい!
富田 番組のMCに向さんの名前があると、みんな揃えて、今日大丈夫だねって言ってます。
向 え?もうフット後藤さんへの信頼度じゃないですか(笑)
富田 それくらいの安心感です(笑)
――素晴らしいプロデューサーということですね(笑)。富田さんが朗読劇に出るにあたって意識されていることはありますか?
富田 そうですね。私朗読劇を今まで何回か経験させていただいてて、もちろん普段の仕事のアフレコもすごく勉強になるんですけど、自分が上達するには、朗読劇に出るのが一番勉強になるなと思っているんです。
――そうなんですか?
富田 やはり台本にないアドリブとか、収録より起こりうる可能性が高いじゃないですか。そういう時、機転が効く上手な方もたくさんいらっしゃいますし、そういうのを舞台で体験したら、家で自分が立てたプランのものより、もう一段階上に行ける瞬間、スポーツ選手でいうゾーンみたいなのところに入れる瞬間が、朗読劇はあるなって思います。
向 いや、本当にありますよね。芸人と声優で職種は違いますけど、お客さんが目の前にいるっていうことの、アドレナリンっていうので明らかに、普段の自分だったら出ない言葉が出たりするんですよね。
富田 もちろん収録もすごく緊張するんですけど、やっぱり朗読劇は生だから、失敗出来ない。その気持ちが強くなるから、より集中力が必要というか。
向 その集中力が経験として成長させてくれるってことですかね。
――その集中力を見られるのが楽しみです。脚本も全6本出来上がりました。向さん、手応えはいかがですか?
向 いや、台本上がるまでは不安だったんですが、あがったら『勝ったなガハハ』でしたね。想像以上の脚本を書いてくれたので不安は吹き飛びました。
――配役も考えられるということですが。
向 そうですね。これ冥利に尽きるんですけど、配役決めるのが一番楽しくて。脳内でイメージするじゃないですか。ここにはこの人だ、きっとこういうお芝居してくれるから楽しみとか。でも本番でやっぱりそれを軽々と飛び越えてくださる声優さんたちを見た時に最高の気分になるというか。これはもう本当プロデューサー冥利に尽きますね。
富田 考え方的に、俺が考えた最強の配役ですよね。
向 そうですね。これ一番オタクがやりたいことですよ。ぜひ皆さんそれをやりたいという方、プロデューサーになってください(笑)
――後輩の育成も熱心ですね(笑)
向 はい。是非是非。
――では最後にこの公演に向けての意気込みをお願いします
富田 私、普段は声優さんが好きですっていう方の前でお芝居をすることがほとんどなんですけど、今回は出演される芸人さんのファンの方で声優さんの生のお芝居を始めて見ますっていう方もいると思うんですね。そういう方に、声優さんすごいなって思っていただけたら嬉しいですし、さっきも言った通り、すごく得られるものがあるんじゃないかな。たくさん吸収しながらも、純粋に楽しんで帰れたらいいなと思っています。
向 僕は富田さんにこういうふうに言っていただいたんで、もうあとは楽しんでいただくために、ちょっと残りの時間を使って、はい最高のイベントにできるように頑張りたいと思います。
――ありがとうございました!
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