イギリスの王立協会が「飲食の歴史上重要な発明ランキング」なるものを発表してます。
○Royal Society names refrigeration, pasteurisation and canning as greatest three inventions in the history of food and drink | Royal Society
http://royalsociety.org/news/2012/top-20-food-innovations/
で、これがトップ20。
「飲食の歴史上」といいながら、中身はほとんど「食物保存の歴史上」重要な発明ばかり。
- Refrigeration(冷凍保存)
- Pasteurisation / sterilisation(低温殺菌 / 減菌)
- Canning(缶詰)
- The oven(オーブンレンジ)
- Irrigation(洗浄)
- Threshing machine /combine harvester(脱穀機 / コンバイン)
- Baking(パン焼き)
- Selective breeding / strains(選抜交配 / 品種改良)
- Grinding / milling(脱穀 / 製粉)
- The plough(耕作)
- Fermentation(発酵)
- The fishing net(漁網)
- Crop rotation(輪作)
- The pot(湯沸かしポット)
- The knife(包丁)
- Eating utensils(食器)
- The cork(コルク栓)
- The barrel(保存樽)
- The microwave oven(電子レンジ)
- Frying(揚げ物)
(http://royalsociety.org/news/2012/top-20-food-innovations/ より)
これを見ると、イギリスにおいて食文化というのは、「生きる」ためのもので、娯楽じゃないんだなあというのがよくわかる。調理方法のような味を左右する技術よりも、食物を保存する方法が重要なんだなあと。安全保障の一環なんだろうね。
これが恐らくフランスやイタリアに行くと、よりもっと調理技術寄りのものになったり、細かな食材単位の話になっていくだろうし、ドイツなんかだとより根源的な話になり、火の扱いでこと細かにランクインしてきそう。
○「飲食史上の重要発明リスト」に批判殺到の理由 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120921-OYT1T01133.htm
ところが、結果を紹介した有力紙ガーディアンのブログには読者の書き込みが殺到。「人類が火を使うようになったことを忘れている」「植物の栽培、動物の飼育こそが重要」「酒はどこへ行ったのか」などの声が相次いだ。イギリス国内でも批判があるようですがね。
(http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120921-OYT1T01133.htm より)
翻って、日本でこういうランキングをとるとしたらどうでしょう。
個人的な観点から言うと、日本の場合、調理技法とか調味料などの分野が多くランクインしてくるのかなと。現代まで影響を与える発明や発見が上がってくるのではないかと思います。
例えば、フグ毒の発見と、それを除去して食べる技法の確立とか。あるいは魚醤の発見と、それに続いて醤油の発明。大豆から豆乳を搾り、そこから豆腐をつくる。日本酒やお酢における醸造技術や、塩田での塩生産などなど。
何が重要かを問うことで、重要であるための要因が見えてくる。ランキングものの有益な副産物と思うわけであります。
今回はこんなところで。
コメント
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日本なら炊飯器ほしいな。
(ID:107424)
Irrigationは灌漑でしょ。
辞書見ると2番目に「医学用語で洗浄」って書いてあるけどさすがにあり得ない。
(ID:3915184)
保存はどこでも重要だろ
生魚なんてまともに食えねえぞ