前回、分散投資の基本的な考え方についてお話しましたが、本当のことを言うと確定拠出年金だけで分散投資をしても実はあまり意味がないのです。
確定拠出年金というのはあくまでも自分のお金の一部でしかありません。したがって、分散投資は大切なのですがそれは自分の資産全体で考えなければ意味がないのです。
恐らく多くの人は、自分の金融資産としては定期預金などの貯蓄を持っている人が多いでしょう。中には、ほとんど自分の資産を株式で運用しているという人もいるかもしれません。
仮に自分が定期預金のような貯蓄商品しか持っていないのであれば、確定拠出年金では全てを投資信託で運用してもいいはずです。逆に株式が金融資産のほとんどだ、というのであれば、確定拠出年金は全て預金にしてもいいかもしれません。
確定拠出年金に限らず自分の資産全体で考えてみてください。そうすれば、確定拠出年金だけで分散投資をしていてもあまり意味がないことに気付くはずです。
メリットを最大限に活かす
さらに、もう少し踏み込んで考えてみましょう。
確定拠出年金の最大のメリットの一つは、運用益に税金がかからないことでした。だとすれば、税金がかからないメリットを最大に活かすのは「期待リターン」の高い商品で運用することです。
わかりやすく言い換えれば、家電量販店で全品半額というセールをやっている時に、わざわざ出かけて行って電池1個を買う人はいません。もし買うのであれば、日頃買いたいと思っていた高額商品、例えばパソコンやエアコンを買うという風に選択肢を考えるはずです。
投資の場合も同じこと、確定拠出年金はできるだけ高いリターンを望める商品で運用すべきであり、リターンの低い預金などは課税で運用したほうが効率的です。
全額を海外株式で運用
さらに別な観点で見てみると、普通、サラリーマンというのは日本の中で働いて給料をもらっています。
すなわち得られる収入のほとんどは円資産です。しかもサラリーマンの一生で給与収入が最大のものです。いわゆる人的資本の大半は円資産で持っているということです。
だとすれば資産運用を円資産でおこなうのではなく、海外資産で運用するというのは分散投資の観点からすれば極めて合理的と言えるのではないでしょうか。
すなわち確定拠出年金における分散投資を論理的に考えれば考えるほど、最も正しい方法は海外株式と海外債券にグローバルな分散投資するということになります。
実は結構簡単なことなのです。
ちなみに、私の確定拠出年金の資産も全額海外株式で運用しています。