確定拠出年金の運用は決して難しいものではありません、ということは前回お話したとおりです。
毎日パソコンの前に座ったり、スマホの画面をにらんだりしながら、売買しなければならないことではない、ということはわかったと思います。
そもそも毎月の掛金は数千円か、せいぜい数万円なのですから、その都度売買してもあまり意味がないからです。
では実際に放っておいてもいい、というけど本当なのかどうか? について少しお話しましょう。
本当になにもしなくていいの?
毎日売買をする必要はないということはわかったと思いますが、それでもこういう疑問が出てくるはずです。
「最初に商品を選んだらずっと放っておけばいいというのなら、最初に何を選ぶかが重要なのではないのか?」。
そして「日々売買しなくてもいいだろうけど、たまにはしなきゃいけないだろう。それはいつやればいいのか? タイミングは?」と。
いずれも、もっともな疑問です。
でも、これをきちんと当てようと思うと相当難しいことです。だって先のことは誰もわからないのですから。一番値上がりしそうなものを選ぼうと考えても、それは誰にもわかりません。
それに売買のタイミングというけれど、そんなものが的確にわかるのであれば誰も苦労しません。「銘柄選定」と「タイミング」は重要なことではありますが、現実には何十年にもわたって適切に当てることは困難です。
では一体どうすればいいの?
どれを買えばいいかわからないのであれば、全部買えばいいのです。タイミングがわからなければ、タイミングを考えなければいいのです。
そんな乱暴なことを! と思うかもしれませんが、そもそも毎月一定額で購入する仕組みですからタイミングなど考える必要がありません、というよりも購入のタイミングを考えることはできないのです。
また、「どれを買えばいいかわからないのであれば全部買えばいい」といったのは要するに分散投資をしなさいという意味です。
特定の上がりそうな銘柄を当てに行くのではなく、様々な銘柄に分散投資をするということです。
年金のような長期の運用の場合には、時期の分散(=毎月一定金額で積立投資をする)と投資対象を分散することが安定した収益を得る方法だと思います。
この内、時期の分散は自動的にできる仕組みになっていますから、あとはあなたが自分自身で考えて投資対象を分散すればいいということです。
では具体的にどうやって分散投資をすればいいのか? について、次回お話しましょう。