必ず携帯しているアイテムは人それぞれ、職種やライフスタイルで変わってくると思います。
スマホ、定期、財布、モバイルルーター、バッテリー、手帳やペン。私は扇子がここに入ります。
扇子って、とっても便利なんです。一般的にはうちわの代わりに使いますよね。
箸になったり、筆になったり、キセルになったり、お神輿の担ぎ棒になったりするんです。
まあ、これは落語家だけの使い方ですが、身近にあるようで見かけない扇子、もう一度よく見てみましょう。
非常に効率よく折りたたまれています。今の様にエアコンが完備されていない時代、うちわのような涼を取れるようなアイテムが、庶民には必須でした。
最初は板とか丈夫な紙であおいだのでしょう。使いづらいから少し工夫して、持ち手をつけよう。なんて所までは誰でも考えられます。うちわの完成です。
しかし、ここで終わらないのが日本人。より突き詰めて、軽くて丈夫でコンパクトに持ち運べて...。扇子になりました。
この「だんだんコンパクトになる」流れ、ちょっと携帯電話っぽいですね。
当時の扇子も同じです。中の骨を何本にするか、折りたたんだ時の幅を工夫したり、広げたときの柄に凝ってみたり。携帯電話やウォークマンに見られるように、持ち運ぶアイテムは小さくせずにはいられない。昔から日本人の気質みたいなものなのでしょうか。
もっとも、中には鉄で扇子を作る猛者も現れたりします。紙も油紙を使って防水性を高くして、軽さよりタフさを優先した扇子も生まれました。タフネススマホのような味わいです。
開いた時の柄も様々な進化を遂げています。
最初はガタガタした面に筆で名前を書いていたのが、絵を書いて、模様を入れて、中には透かしをほどこした扇子なんていうのもあります。
骨にも彫りを入れちゃって、今で言うデコレーションですね。
扇子に紐をつけて、ぶら下げられるようにカスタマズしたタイプも出回ります。
完全にストラップの元祖です。
「見てくれ、俺の扇子、紐付けたんだよ」
「ただ紐ってのも味気ないねぇ」
そんな会話が聞こえてきそうです。
紐の先にぼんぼりをつけたり、穴あき銭を結んだり。この時代にギャルがいたら、扇子の先はとんでもない事になっていたでしょう。
スマホもガラケーもデコられますがが、あれば便利だけど持っている人は少数派...なところを見るに、ガラケーのような扱いですね。
そんな扇子ですが、夏場はとても重宝します。さっとポケットや鞄から取り出して、パッと片手で広げられると最高にスマートです。
夏の昼下がり、JRの駅での電車待ちなんかで粋に扇子を使っている人には、男の色気を感じますね。
まだ扇子未体験の方は今年の夏、デビューしてみてはいかがでしょうか?