前回までのお話で確定拠出年金のメリットについてはお分かり頂けたと思いますが、今回は確定拠出年金の最大の難関である「運用」についてお話をしたいと思います。
そのイメージは間違っている?
みなさんは「資産運用」という言葉を聞くと、どんなイメージを思い浮かべますか?
パソコンの前に座って、あるいはスマホとにらめっこしながら、株価やチャートをチェックし、売買のタイミングをはかりながら機敏に売買をしている。
恐らく多くの人はこういう姿を思い浮かべているのではないでしょうか。確かにこういうスタイルは資産運用方法の一つではありますが、こういうのが運用の全てというわけではありません。
いやむしろ運用の多くはこういうパターンとは無縁でもっとのんびりと運用していくものだと言ってもいいでしょう。
では、確定拠出年金における運用というのは一体どんなものでしょうか?
まず一部の例外を除いて、最初からまとまったお金を運用するわけではありません。企業型確定拠出年金の場合は皆さん一人一人の口座に会社が掛金を毎月決まった金額を入れます。そのお金を運用するのです。
但し月々の金額はそれほど大きな金額ではありません。毎月の掛金というのは多くの場合、給料がベースになっているので人によって金額が異なる場合が多いのですが、1,000円から上は55,000円が上限になっていますから、いずれにしてもこの範囲内の金額です。
この金額で、どれを購入するのかを毎月その都度決めるというわけでもありません。あらかじめこの金融商品を購入するということを決めておくのです。そうすれば、放っておいても自動的に最初に決めた商品を購入します。
仮に複数の商品の場合は決められた比率で購入していきますから、毎月売買の判断することはありません。
また、ずっと積み立ててきたものを売却して入れ替えたりすることはできますが、デイトレーダーのように一日に何度もできるわけではありませんし、そもそも確定拠出年金の売買にはかなり日数がかかります。
ある銘柄を売って他の銘柄に入れ替えるには最低でも5日間、場合によってはもっとかかります。したがって日々の価格の変動に合わせて機敏に売買するというのは事実上、ほぼ不可能です。
要するに確定拠出年金での運用というのはトレーディングとは無縁で、一旦どの金融商品で運用するかを決めたら放っておけばよく、時々見に行って極端に方向がずれていないかどうかをチェックするだけで十分なのです。
したがって、決して「難関」というほどのものではないことは知っておいてください。
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