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前回は、日本でもお馴染みの「ピルスナー」をはじめとしたラガー系スタイルについてお話しましたね。
今度はもう一つの大きなカテゴリ「エール系」のスタイルのことを詳しく見ていきましょう。


エール系スタイルの話をする上で、欠かせない国が二つあります。イギリスとベルギーです。


エールといえばイギリス!

イギリスのエール系スタイルの話をする上で欠かせないのが「ペールエール」。 「ペール」(pale)は英語で「色が薄い」という意味で、このスタイルが広まり始めた頃、「今までのビールより色が薄いじゃないか!」ということでこう呼ばれるようになりました。

下の画像がペールエールの有名な銘柄の一つ、「スピットファイア」です。 今の日本ではビールといえばピルスナー=金・琥珀色をイメージする人が多いですから、むしろペールエールのほうが色が濃く見えますね。 20150403_spitfire.png

味のほうも薄くはありません。苦味よりもコクや風味が豊かなビールで、「リンゴのような」とか「シトラス(柑橘系)の香り」と評される銘柄も多くあります。
これは個人的な印象ですが、ウイスキーやワインのような、いくつもの風味を持つお酒が好きな方に向いているのではないでしょうか。

ベルギーでは副材料を上手く使いこなす

一方、ベルギーでは同じエール系でも、また違ったスタイルのビールが多いです。中には一見ラガー系に見えるような、豊かな泡を出す銘柄もあります。
一番有名なのは、こちらのヒューガルデン・ホワイトでしょうか。
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スタイルでいうと「ベルジャンスタイル・ホワイトエール」です。同じエール系スタイルでも、ペールエールとは全く違いますよね。
ベルギーのエール系スタイルの半数に「ベルジャン」という単語がつきます。他にも「ベルジャンスタイル・ペールエール」などがあり、同じペールエールでもイギリスなどとは違う特徴を持っています。

また、フルーツやハーブなどの副材料を使って香り付けをしているものが多いのもベルギービールの特徴です。
このためか、あまり苦味が目立たない銘柄も多く、どちらかというとベルギーのビールは女性に人気があるようです。
最近日本でもベルギービール専門店が増えたのは、そのためかもしれませんね。

苦味こそ命! なスタイルも多々

また、エール系スタイルで欠かせないのが「IPA」や「セゾン」といった苦味の強いスタイルです。
これは冷蔵技術がなかった時代、保存性を高めるためにホップを大量に使ったことからきています。ホップはビールの苦味の元ですので、増やせば増やすほど苦くなってしまったんですね。
当然のことながら非常に苦く、またハーブのような香りも強いため、とても好みが分かれるスタイルの一つです。が、ハマるととことんハマる人がいるのもまた事実。
「苦味が好き!」というは、このあたりも試してみてはいかがでしょうか。

まだまだあるエール系スタイル

他にもアイルランドの「アイリッシュスタイル・ドライスタウト」やアメリカの「アメリカンスタイル・IPA」など、エール系はさまざまな国で作られており、その分多種多様な特徴のスタイルが存在します。
とても今回だけでは書ききれないので、各国のビールを紹介するときにまた改めてお話しますね。

次回はラガーやエールに当てはまらないビールのお話をさせていただきますので、そちらもお楽しみに。

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