イギリスで複数の大手銀行から日本円にして3億2千万円以上(181万ポンド)をだまし取ったとして、刑務所に収監されていたニール・ムーアという詐欺師。
そんな彼は獄中で自らの釈放命令書を偽造するという手口で、なんと現実の鉄格子や錠前を1つも破ることなく脱獄することに成功したのだそう。犯行に使われたのは、密かに入手したスマホただひとつだったようですよ。
あまりにも巧妙すぎる「スマホで脱獄」の手口とは?
たしかに知識があって、スマホを入手することができれば、文書データとしての釈放命令書を偽造できるということはなんとなくわかります。しかし、その文書を刑務所の職員に本物と信じさせるのは一筋縄ではいかないはず。しかも収監されていたのはイギリスでもっとも厳重な警戒体制とされるワンズウォース刑務所です。
そこでこの囚人は、あろうことか獄中のスマホから本物の裁判所のドメイン名と非常によく似たドメインを取得。そのドメイン上に作った偽のアドレスから送られてきたニセ釈放命令書を見た刑務所長が、まんまと信じ込んでしまい釈放してしまったというわけです。なんという知能犯でしょう。
でも3日で再逮捕...リアル世界では逃げ切れなかったか
デジタル技術を駆使した彼は、釈放というかたちで堂々と脱獄に成功したものの、リアル世界での完全逃亡を果たすことはかなわず、結局は脱獄から3日後に再逮捕。現在はまた塀の中で判決を待つ身となっているのだそう。
今回問われる罪は、いままでの詐欺によるものに加えて今回の脱獄にまつわるものも上乗せされているとのことで、なんとも「やれやれ」なサイバー脱獄騒動の顛末となりそうです。
イギリスで、囚人がスマートフォンを使って偽の釈放命令書を刑務所に送ってまんまと脱獄 [BusinessNewsline]