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未だ信じられない後藤浩輝ジョッキーの急逝

2015/03/01 15:30 投稿

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 金曜午前10時半。馬柱が出揃って馬券の検討を始める、そんな1週間の内でもっとも胸躍る時間帯にその悲報が俺の携帯に入ってきた。前週も一緒にウインズ浅草に同行したK先輩からの連絡だったので、競馬に関することだとは思ったが、まさかそれが後藤浩輝の急逝を伝えるものだとは思いも寄らず、信じられなかった。手元の馬柱に目を落とすと翌日土曜の中山2Rに後藤浩輝の名前は確かに載っている。本当なのだろうか。嘘であってほしい。第一報を伝えたのは、よりにもよって競馬とプロレスのニュースだけは信頼度が抜群に高い東スポであった。

 昨年末の有馬記念2日前、徹夜で開門を待つファンに使い捨てカイロを配った後藤浩輝。ファンサービスに積極的で、勝利者インタビューでは常にジョークを交えて笑いをとり、競馬界を明るく盛り上げてくれたジョッキーの一人だった。

 個人的に思い出すのは、2003年の天皇賞(秋)。前半1000メートル通過が56秒台という伝説的ハイペースとなったレース。後藤のローエングリンと吉田豊のゴーステディ。過去に因縁のあった若手2人がハナでやり合って結果的に大暴走となり、直線では当然足が止まって馬群に飲み込まれる展開となった。

 レース後、元調教師でもある競馬評論家の境勝太郎氏が後藤と吉田の騎乗をスポーツ紙で激しく叱責した。15番人気のゴーステディはともかく、後藤のローエングリンは2番人気を背負っての暴走騎乗。ファンの間でも議論を巻き起こし、結果的に後藤はそのレースを最後にローエングリンの主戦から降ろされることになった。

 確かに非難されて当然の騎乗だっただろう。ただ、あの日、前半1000メートルの通過タイムが東京競馬場のターフビジョンに表示された瞬間の場内のどよめきと歓声の大きさは未だに忘れられない。若手2人が感情剥き出しでやり合った、見てる側も高揚した、あんなレースはもう二度と見られないのかもしれない。たぶん、どちらも絶対に譲れないものがあったんだろうし、きっともう一度やり直しても同じ展開になったのではないかと思う。

 そしてその3年半後には中山記念でローエングリンへの騎乗機会を再び得て見事に勝利し、後藤は検量室で大号泣。安田記念でG1初勝利した時もアドマイヤコジーンの馬上で泣いていたし、この前の落馬による長期離脱から復帰した時もパドックで後藤は泣いていた。そういう今どき珍しく感情を表に出すジョッキーがいなくなるのはたまらなく寂しい。パドックに行けばいつでも会えると思っていた。もちろん今週末も。

 どうか、どうか安らか。

2015年3月1日
新爆

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