サイバー犯罪でもうけている人間って、実在したんですね...。
米連邦捜査局(FBI)は、ロシア人のサイバー犯罪者エフゲニー・ボガチョフ容疑者の逮捕につながる情報の提供者に、300万ドル(約3億5000万円)の懸賞金を支払うと発表しました。時事ドットコムが伝えています。
これは、サイバー犯罪の懸賞金としては、史上最高額ということです。確かに、誰かを殺したりしているわけでもないのに、すごい額の懸賞金ですよね。
しかし、それもそのはず、このハッカーはコンピューターウィルスを使用し、今までに1億ドル(約120億円)を盗んだとされているのです。ウィルスばらまいて120億円! まさにケタ違いですね。
恐怖のウィルスの名前は...
ハッカーが使用したウィルスの名前は、「ゲームオーバーゼウス」というもの。中学生みたいなネーミングですが、今までの実績からその名に恥じぬ性能を持っていることがうかがえます。
このウィルスが狙うのは、オンラインバンキング。いわゆる、ネット銀行です。
「ゲームオーバーゼウス」に感染したコンピューターは、ネット銀行のパスワードなどの情報が攻撃者に見られてしまいます。攻撃者はその情報を元にネット銀行に不正アクセスし、預金が盗まれるという流れ。
ネット銀行がセキュリティーに気をつけるよう利用者にさんざん注意していますが、こうして実際に不正な利益を得ている人間がいたわけですね。いやあ、おそろしい。
日本の攻撃の対象
悪いことに、この「ゲームオーバーゼウス」による被害は、日本でも多いようです。少し古い記事ですが、セキュリティー企業のシマンテックがブログで述べていました。
もっとも狙われているのがアメリカとイタリア、次いでアラブ、そして4番目が日本とイギリスです。
ネット銀行の利用者は、ウィルスによる被害が身近なものであると常に意識しておく必要がありますね。
対策は?
自分たちでできるもっとも簡単な対策は、利用しているネット銀行の注意に従うことでしょう。日々更新されるセキュリティー情報を、「対岸の火事」と思わずにしっかり目を通しておくことです。
また、アンチウィルスソフトをインストールすることでも、ある程度は被害の防止が期待できるはず。ネット銀行を利用している方は、特にインストールしておいたほうが良いと思われます。
過小評価されがちなウィルスによる金銭被害ですが、ネット銀行はサイバー犯罪者に常に狙われていると意識することが重要です。
なんとも恐ろしい、サイバー犯罪者のご紹介でした。家にいるだけで120億円も稼いでいると思うと、なんとも憎たらしい話です。
ぜひ一泡吹かせてやりたいところですが...犯人はロシアにいる可能性が高そうですので、私たち日本人が懸賞金を受け取るのは難しそうですね。
ロシア人ハッカーに懸賞金=過去最高額3億5000万円-米政府[時事ドットコム]
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