前回までのお話で公的年金のおおよその仕組みはおわかり頂けたかと思いますが、一番知りたいことは何かといえば、「結局、いくらもらえるの?」ということにつきると思います。
そこで、今回はごくシンプルに老後に一体どれぐらいもらえるのか? についてお話しましょう。
知りたいことは、ただひとつ
日本の年金制度の全ての基本になっているのは、基礎年金(国民年金)です。これは、基本的に20歳以上60歳未満の日本国民であれば加入の義務があります。特にサラリーマンの人であれば保険料は強制的に天引きされていますから、未加入であったり保険料が未納であったりすることはありません。
この基礎年金は、保険料を払い込んだ期間が同じであれば、誰でも金額は一定です。具体的に言うと平成26年4月時点では年額で77万2,800円です。(保険料を満額払い込んだ場合)
自営業や無職の人であれば、国から受け取れるのは原則これだけです。サラリーマンの場合は厚生年金という制度に加入していますから、その中からこの金額が支払われますが、さらにこれとは別に「報酬比例部分」と言われるものがあります。これは文字通り、現役時代の給料に比例して受け取り金額は異なります。
自分の場合はいくらになるのか? を見たいなら、前々回でお話したように「ねんきんネット」を見ればわかりますが、私は以前に日本年金機構のHPでシミュレーションをやってみました。
計算の前提となるのは月給が26万円、ボーナスが年2回でそれぞれ70万円ずつ、つまり年収452万円という前提です。すると先ほどの基礎年金の分と合わせて約193万円になりました。これは年間ですから、月額にすると約16万円程度です。
これは一人の場合ですから、夫や妻がいる場合はその分もプラスされます。その場合、最低でも先ほどの基礎年金部分約77万円が加わりますから、合計すれば約270万円、月額に直せば22万5千円ほどになります。まあまあの金額だと思いませんか?
さらに大事なことを言えば公的年金は終身ですから、この金額が死ぬまで貰えるということです。65歳から90歳まで25年間もらったとすれば、生涯に受け取る公的年金の総額は6,750万円になります。
よく老後の生活に1億円かかるとか言って驚かされますが、仮にそうだとしてもその7割近くは公的年金でまかなわれるのだということは知っておいた方がいいでしょう。
そもそも本当に老後の生活に1億円必要なのか? そのあたりのところは次回に考えてみましょう。