総務省の平成23年度版「情報通信白書」によると、ネットいじめよりも学校の実際のいじめの方が多いことが分かっている。
しかし、ネットいじめはリアルのいじめよりも子どもを追い詰めることがある。ネットいじめの特徴とリアルいじめとの違いを見ていこう。
いつでもどこでもいじめられる
ベネッセ教育総合研究所の「中高生のICT利用実態調査」(2014年12月)によると、子どもたちはスマートフォン、パソコン、携帯電話、携帯型音楽プレイヤー、ゲーム機、タブレット端末などを利用してネットに接続している。小学生から1人1台買い与えられていることが多いゲーム機でもネットに接続可能であり、自由にネットに接続できる状態というわけだ。
ネットいじめは、それらの端末を使ってLINEなどのSNSを通じて行われることが多い。つまり、帰宅すれば逃れることができた従来のいじめとは異なり、時間と場所を問わずいつでもどこでもいじめられる点が子ども達を追い詰めてしまうというわけだ。
コピー、転送、共有や拡散が容易
ネットいじめはデジタルで行われるため、コピーや保存、転送なども簡単にできる。それだけでなく、SNSなどを通じて共有や拡散までできてしまう。子ども達にとっては友達にどう見られているかが重要であり、友達の間で知られたくない情報を共有・拡散されることで、彼らは大きなダメージを受けてしまう。
その他ネットを通じて、グループ内での仲間はずれや無視、なりすまし、匿名での嫌がらせ、中傷する情報や加工した写真などの投稿、個人情報を本人の許可を得ずに公開するなどのいじめも行われている。
以上のように、ネットいじめは子どもに深刻なダメージを与える可能性がある。子どもの様子を見守り、不登校、遅刻や早退、体調の悪化などの変化が見られたら、できるだけ早く子どものケアといじめの対処をすべきだろう。