年末大売出しのこの時期。並んで、セールの時期と言えば決算セールでしょう。
会社の決算に合わせて行われるこの決算セール。一体どんな目的で行われるのでしょうか?
売上を上げる
1つ目の目的はもちろんこれ、売上をもうひと踏ん張りして伸ばすためです。売上をアップするためにはセールはわかりやすい手段です。
値下げをしても、数が売れれば売上は伸ばせるため、多少の赤字は覚悟のもとで売りまくるのです。
ここで、疑問に思った方もいるでしょう。
いくら売上が上がったって、赤字になってしまったら全然意味がないじゃないか?と。その意見はごもっとも、全く持って間違っていません。
会社は利益を生んでこそ存続できるものです。なのに、利益を生まないことをわかっていて、それでも決算セールをやるのです。
もう一つの効果
売上から原価や経費を引き、利益を生む。この過程は「損益計算」と言います。決算セールを行うと、売上は上がるものの、最終的に重要なはずの利益には大きな効果はもたらしません。
決算セールを行う真の目的、それは「財務状況を良くするため」です。
会社の財務書類の一つとして、「貸借対照表」というものがあります。
これは会社の資産状況を表すもので、毎期の活動の結果、「決算日時点」での「資産」や「負債」、自己の持分にあたる「純資産」を明らかにします。
この決算日時点の資産の中に、「棚卸資産」という項目があります。いわゆる「在庫」です。
決算セールを行わなかった会社と行った会社。言い換えると「在庫が多い会社」と「多かった在庫を売って、現金が多くなった会社」。ここが大きく違うのです。
投資家が株式を購入するにあたって、毎年の売上はもちろんチェックします。これを増加するためにも決算セールは効果がありますが、それよりもチェックされるのは貸借対照表。
会社の信用度を高めるために
この貸借対照表に表示される、最強の資産は何か。答えは「現金」。
何故なら、現金は他の資産に形を変えることが容易だからです。
商品も、もちろん価値があります。しかし、中には「不良在庫」の存在も有り得るでしょう。現金には「不良現金」はありません。資産としての信用度も高いのです。
決算セールは、会社の信用度を高めるために、行われているのです。