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第七回 投資に必要なことを理解しておこう

2014/11/16 19:00 投稿

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よく、株価は経済の体温計と言われます。

これは、株価が経済の動向を先読みしながら動くこと、後から思い返してみると、株価の転換点が景気の転換点であったこと、などから言われるようになったものです。

個別の株式の株価は、その株式を発行している企業の業績を反映して動きますが、その企業の業績自体も景気動向から無縁ではいられません。

そして、個別の株式の株価をバラバラに見ていてはわかりにくいので開発された、「株価指数」の動きをみていると、株式市場全体の動きがわかります。株価指数の動きは、個々の企業の業績を総合計したような一般的な
企業業績を反映し、また、そうした企業業績一般に影響を与えそうな、政治・経済状況を先読みしながら動きます。

ですから、日本の株価指数の動きを見ていると、日本の景気の動向や、政治の動きなどが「織り込まれ」ていることがわかるのです。

年初来の日経平均株価の動き

下の図は、2014年の年初来の日経平均株価指数(以下、日経平均)の動きを、為替水準の推移とともに表したものです。

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日経平均は、日本経済新聞社が計算・公表している、日本の代表的な株価指数の一つです。日本の主要な225の企業の株価を、特殊な方法で合算して平均値を取った指数で、構成銘柄の数を示して「日経225」などとも呼ばれます。日経平均の動きは、おおむね株式市場の動きを代表していると考えて良いでしょう。

この図をみると、年初から下落してきた日経平均は、2月から5月くらいまで、1万4千円から1万5千円の範囲内で推移しています。この間は、消費税増税の影響で、景気の悪化が懸念されていた時期です。

それが、6月頃から好調な企業業績を受けて徐々に持ち直し、9月と10月下旬からの2回の円安局面で騰勢を強めました。これは、円安になると輸出企業の業績が改善するとの発想からです。しかし、10月に日経平均も為替の円ドルレートも一時的に落ち込んでいます。これはなんでしょう? 

また、夏を越えた辺りから、日本の景気は悪化しているという報道が相次ぎ、景気悪化からデフレへ戻ってしまうことを恐れた日銀が、再度の金融緩和を行いました(オレンジの縦線の時期)。こうした状況で、株価が騰勢を強めるのは奇妙なことです。

それは米国の市況と日銀の金融緩和のせい

そこで他の要因はないかと、米国の株式市況と日経平均を比較してみました。

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この図は、日経平均を米ドルレートで割り算した「米ドル建て日経平均」と「ニューヨークダウ指数」を比較したものです。ニューヨークダウは、米国の代表的な株価指数です。日経平均は単純な割り算ではなく、昨年末時点のニューヨークダウと同じ値になるように、定数を掛け算しています。

これをみると、年初の日経平均の急落や夏場以降の動きは、かなりニューヨークダウと連動していることがわかります。米国で、景気悪化が懸念されたり、景気改善の兆しや米国連邦準備制度理事会(日本でいう日銀のようなもの)が、景気が改善してきたので「量的緩和」という特殊な金融緩和を止めると宣言したりと様々なイベントで米国株が動き、それに米ドルで見た日経平均が連動しているのです。

世界の株価は、昔より国際的な連動性が高まっています。

これを見ると、日本の株式に投資することだけを考えても、世界の経済を広く見渡して、その動きを理解しなければならないことがわかります。

もちろん、米国株にも分散投資をするなら、尚のことです。

最後に赤丸で囲んだ部分ですが、この時期は日本株の上昇率が米国株より良くなっています。これは、日本の企業が過去最高益を更新しているという生活実感とはやや異なる事実を素直に反映したものだと言えましょう。

これらの相場の解釈は、人により、時機により、立場によって大きく異なった理由付けがされます。なぜそうなるのか、ご自身が投資するうえでそれらの意見をどう比較したらいいのか、といったことも、追々ご説明できればなと思っております。

今回は、投資って広い視野で色々なことを総合して考えないといけないんだな、ということを感じて頂ければ結構です。

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