さて、先週に引き続き、今週のおは用語でもユーザー認証についての話題を取り上げていきますよ。今朝は人によって違う「からだの特徴」を利用して個人を識別する『生体認証(バイオメトリクス認証)』について解説しましょう。
スマホで代表的な生体認証は「指紋認証」です
現在すでに使われている生体認証はいくつかありますが、スマホ・タブレットの世界で代表的なものはアップル製品の「Touch ID」や富士通、サムスン製品の一部に搭載されている『指紋認証』です。主にスマホの画面ロック(スクリーンロック)に利用されていますね。
ご存知の通り、人間の指紋は個人によって異なり、同じものはないといわれています。この指紋パターンをセンサーで読みとって個人を識別・認証する仕組みが指紋認証というわけ。
指紋センサー内部の構造は複雑、かつメーカーによっても違うはずなのでここでは深く掘り下げませんが、どうやらアップル製品に使われているRF容量センサーは「生きている人間の指」にしか反応しないみたいですよ。
生体認証に利用できる身体的特徴って?
指紋に続いて、実用化が進んでいたり、これから実用化が期待できる生体認証(バイオメトリクス認証)の技術はいくつもあります。生体認証に使えるものとして重要なのは、一卵性双生児であっても同じパターンにならない特徴であること。指紋のほかに以下のようなものがあります。
目(虹彩/網膜):
目の虹彩(瞳孔のまわりの色のついた部分)にある複雑な模様は固有の特徴を有するそうで、これを高解像度に撮影したデータで個人認証ができるとされています。眼鏡やコンタクトレンズを装着した状態でもパターンを判別できるのだそう。これとは別に網膜の毛細血管パターンを読む網膜スキャンもありますが、これは装置が大掛かりになるため今のところモバイル機器に導入されることはなさそうです。
顔や掌、耳のかたち、声紋:
『顔認証』は一部のスマホ・タブレットでも採用されていますが、顔や掌のかたちは、一卵性双生児などでは誤認証されるおそれもあります。また、耳のかたちは個人によって異なるとされており、生体認証への応用が期待されている部位のひとつ。ちょっと変わったところでは声紋(音声の特徴)も生体認証に使えるといわれています。
将来はパスワードがいらなくなる、かな?
上で紹介した身体的特徴にくわえて、筆跡や歩き方、まばたきの動きといった個人ごとの行動のクセまでもバイオメトリクスとして認証しようという動きがあり、これらが実用化されるとユーザーIDもパスワードも不要な「顔パス」状態でスマートデバイスやウェブサービスを活用できる時代が来るのかもしれませんね。
それでは皆さん、今日も一日、スマートに! いってらっしゃい!
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