スマートフォンの安全を確保するために、大きな助けとなるセキュリティアプリを、いくつかピックアップして試してみようという本連載。第3回の今回は『McAfee Mobile Security(マカフィー・モバイル・セキュリティ)』を取り上げます。
第1回『Avira Antivirus Security』の記事はこちら
第2回『CM Security』の記事はこちら
まずは、恒例の評価ポイントの前に、一言。
ドコモの『あんしんネットセキュリティ(月額200円)』と、ソフトバンクの『スマートセキュリティ(月額300円)』は、それぞれ本アプリの機能限定版です。現在お使いの方も、いらっしゃるかも知れません。
正式版の本アプリは月額契約320円、年間契約2,980円(1ヶ月あたり248.33円)で使えます。筆者の考えとしては、基本機能の充実しているドコモ版については金額のメリットもありますし、検討の余地があると思いますが、機能が最低限となっているソフトバンク版については、正式版である本アプリの方がお得感があると思います。
それでは、『McAfee Mobile Security(マカフィー・モバイル・セキュリティ)』の評価を。
AV Testのウィルス検出テスト(9月度)の結果が99.7%と、前々回、前回レビューした『Avira』『CM』には、わずかに及びませんが、累計で98%と高い検出率を誇っています。
お得感については、無料で使える『Avira』『CM』に比べて見劣りしてしまいますが、パソコン用のセキュリティソフトを長く作ってきた実績と、完全に日本語対応できている点は、安心感につながると思います。
ウィルス監視・スキャン
基本機能については、きちんと作りこまれている印象です。『Avira』『CM』と比べると、少し端末のスキャンに時間がかかるようでしたが、大きな問題になるようなレベルではありませんでした。
好感を持てたのは、問題がなかった時のウィルススキャン結果通知がさりげない点。通知エリア内に通知を残さないので、掃除の手間がありません。裏方に徹しているという印象です。
盗難対策
この機能については、評価の高かった『CM』よりもさらにハイレベルの完成度です。
ユニークなのは、端末が盗まれたり紛失した時、あらかじめ登録しておいた友人に通知が送られる点です。どこかに置き忘れた時など、あなた自身が気づいていなくても、拾った相手が端末を操作したら友人にその通知が届きますので、連絡を取り合ってもらうことができます。
プライバシー保護
本アプリは、ウィルスチェックだけでなく、情報漏洩のリスクについても、各アプリをチェックしてくれます。また、通話・通信をブロックする機能も持っています。
この項目についても、さすが有料アプリという出来栄えです。
ウェブセキュリティ
セーフブラウジング(より安全にホームページを閲覧できる)だけでなく、Wi-Fiスポットの危険度についても判定してくれます。
コーヒーショップやコンビニなど、外出先でWi-Fi接続して通信している方にとっては、ありがたい機能でしょう。ここも、さすがという完成度です。
アンインストール
盗難対策のために、簡単にアンインストールできなくなっています。
アンインストールする際には、アプリの「メニューアイコン」をタップし、「削除」を選んでください。すると、あらかじめ設定しておいたPINコードの入力を求められますので、指示に従ってください。
総評
『Avira』にあったGmailのセキュリティチェック機能は、本アプリには搭載されておらず、SMS・MMS(ショートメール)に対するスキャンのみとなっています。しかし、その点を除けば全てにおいて『Avira』『CM』より優れた機能を有しています。
対価を払っているので、そうあるべきとも言えますが、企業ユースなど高いセキュリティを求められる端末については、積極的に導入を検討しておくべきアプリだと思います。
アプリのダウンロードはこちらから
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利用時間:1週間ほど 使用端末:HTC J One (HTL22)
アプリ更新日:2014年10月16日
価格:320円(月額契約)/ 2,980円(年間契約)