Kindle Fireシリーズの新製品が登場したと聞き、私は迷わず『Fire HD 7』を買いました。本記事では購入ホヤホヤの『Fire HD 7』をレビューします。
アマゾンの普及帯タブレット『Kindle Fire HD』
『Kindle Fire HD』シリーズは、アマゾンが開発・販売する普及価格帯のタブレット。中身はAndroidとほぼ同じですが、Amazonの電子書籍や音楽、アプリ、動画を利用する専用のタブレットです。
一番のウリはその価格。¥11,800はお安いです。しかも安心と信頼のAmazonで買えます。中国製のタブレットに感じるあやしさはありません。
『Fire HDが安い』というより、『スペックはそこそこだけど、お手頃なタブレット』が日本では珍しいんですよね。アマゾンは、うまくスキマを突いた商品を出してきたな、というのが私の率直な感想です。
FireのここがGood
1. 無料・容量無制限のフォトストレージ
Fireで撮った写真(スクリーンショットを除く)なら、無料・容量無制限で『Amazon Cloud Drive』に保存できます。Amazonプライム会員である必要はありません。
2. 動画を楽しめる
端末 書籍 音楽 動画 Fire ○ ○ ○ PC ※ ○ ○ iOS ○ ○ ○ Android ○ ○ ×※雑誌・コミック・洋書のみ閲覧可能。和書は不可。
上の表で示したように、Amazonで購入したコンテンツはPC・iOS・Androidからでも楽しめます。しかし、Androidでは動画を見られません。
タブレットでソファに寝っ転がって(あるいは通勤時などに)動画コンテンツを楽しみたい。でもiPadはお高いな、という方にとってFireは良い選択肢だと思います。
Fireのここが残念
1. アプリが少ない
アプリは基本的に『Amazonアプリストア』からインストールします。『Google Play』は使えません。
正直に言うと『Amazonアプリストア』の品ぞろえはまだまだです。
Google製アプリ, Dropbox, SmartNews, Instagram... 全部ありません。
ないだけなら良いんですが、検索すると怪しげな(YouTubeっぽい名前がついてるけど、開発元はGoogleじゃないしなぜか有料とか)アプリがいくつもヒットして怖いです。
上の写真は『Google』でアプリ検索した結果です。Googleの名を冠したアプリはありますが、本物は1つもありません。ニセモノも数が足りないらしく、Yahoo!やAdobe Readerが顔を見せる始末です。
2. 『Fire』でなければ見られないコンテンツは少ない
前出の表で示したように、Amazonのコンテンツはさまざまなデバイスで楽しめます。不便さは『動画がAndroidで見られない』、『和書がPCで読めない』ことくらいです。
その他気づいた点
1. 解像度
端末 解像度[ppi] Fire HD 6 252 Fire HD 7 216 Fire HDX 7 323 Fire HDX 8.9 339
PCディスプレイと違い、タブレットは至近で見るので解像度の高低は重要です。特に電子書籍やネットの小さい文字を読む時はドットが粗いとキツいです。
Fireシリーズの解像度が良いか悪いか、人それぞれ感じ方が違うでしょう。
できれば実店舗で、Fire相当の解像度を持つタブレットに触れることをおすすめします。
私のFire HD 7(解像度は216ppi)では、小説のルビが読みにくく感じました。
上の写真はFire HD 7で表示した『吾輩は猫である』の冒頭。Fireで間近に見た時のイメージとは異なりますが、参考までに載せておきます。
ちなみに歴代iPhone, iPadシリーズの解像度は以下のとおりです。
機種 解像度[ppi] iPhone 6 Plus 401 iPhone 4,4S,5,5s/c,6 326 iPhone 初代,3G,3GS 163機種 解像度[ppi] iPad Air(初代,2), iPad(第3,4世代) 264 iPad 初代,2 132 iPad mini(第2,3世代) 326 iPad mini(第1世代) 163
2. カメラ
良い点1で書いたように、写真をたくさん撮る使い方をする場合は注意が必要です。機種によってリアカメラの性能が異なります。
機種 画素数 Fire HD 6,7 2M Fire HDX 7 リアカメラなし Fire HDX 8.9 8Mあくまで私見ですが、画素数2Mの写真はあまりキレイでないと思います。
上は『Fire HD 7』で撮った写真。トリミング・リサイズはしていますが無圧縮です。
ある程度の画質を求めるなら『Fire HDX 8.9』になりますが、カメラ機能のために¥40,980を出す必要はあるのか...iPadが買える価格です。
もし満足できなかったら...
2014年9月17日から2014年10月12日までに買った『Kindle』,『Fire HD 6』,『Fire HD 7』なら全額返金してもらえます。
上のリンクが切れている(以前そういうことがありました)と申し訳ないので返金手順を以下に書いておきます。
1. 『返品受付センター』にアクセス。
2. 『購入商品を返品する』をクリック。
3. 注文履歴右端にある『この注文の商品を返品する』をクリック。
4. 返品理由で『サイト上の説明と違った』を選択、コメント欄にコード『KINDLE-AND-FIRE』と入力。
5. 商品を梱包する。
6. 返品ラベル(サイト、もしくはメールから印刷可能)を梱包に貼付し、返品ラベル上で指定されている配送業者に集荷を頼む。
まずはアプリの品ぞろえがほしい
とにかくアプリのラインナップには衝撃を受けましたね。Windows Phoneにもあるようなアプリが無いわけですから、もうビックリですよ。
FireのOSはAndroidのフォーク(手を加えたもの)なので、『ちょちょいと手直しすれば、Kindle Fireに移植できるでしょ?』と思っていたのですが、そうではないようです。
コンテンツを消費するためのプレイヤーとしてなら満足できますが、Amazonのコンテンツは色々な機器で利用できますから、すでに他のタブレットを持っているなら、Fireを買う理由は薄いと感じました。
強いて言うなら『タブレットのOS改造して遊ぶ』ことはできます。案の定、ネットを検索したら好事家(Androidファン)たちがFireで遊んでいるページがたくさん見つかりました。でも、それはメカいじり的な遊び方ですね。
私の場合、手元にある『Fire HD 7』は返品しようと思っています。ちょうどiPad Air, miniの新作が出て、旧型がお安くなるんじゃないかと様子を見ているところです。
トップ画像はAmazon公式サイトより