街の本屋さんで電子書籍を買える取り組みとして、トライアルが行われているのが電子書籍カード『BooCa(ブッカ)』。出版・書籍に関連する企業が集まって、リアル書店の魅力である「空間」を活かした電子書籍の陳列販売を目指したテスト販売を実施しています。
『BooCa』は、現在コンビニ等で手に入る「iTunesカード」などのプリペイドカードに似た仕組みで、書店でカードを購入するとダウンロード型の電子書籍を入手できるようになります。
書店に陳列される電子書籍カード
BooCa事業のコンソーシアム参加社のひとつである楽天は、『東京国際ブックフェア』出展ブースの壁面を大きく使ってBooCaカードの店頭での陳列イメージをアピール。
今のところBooCaの電子書籍カードとして買える本は約3000タイトル。いま実証事業としてテスト販売している書店では各店舗の裁量で、このなかから取り扱いタイトルを決めているのだそう。
実証事業に参加しているリアル書店(4店舗):
今井書店(本の学校 今井ブックセンター)/三省堂書店(神保町本店)/本の豊川堂(カルミア店)/有隣堂(ヨドバシAKIBA店)
使い方はプリペイドカードそっくり
BooCaカードは、裏面に取り扱い電子書店へリンクしているQRコード、およびダウンロード用コードが記載されている方式。iTunesやGooglePlayなどのアプリストアのプリペイドカードとよく似た仕組みですね。
使える電子書店は楽天のkoboと凸版印刷グループのBookLiveの2つ。電子書籍のダウンロード時にユーザーがどちらかのストアを選ぶようになっています。
参加企業はそうそうたる顔ぶれ
今回の出展は楽天が主導でしたが、BooCaコンソーシアム参加企業は書店や取次など、さまざまな形で出版に関わる13社。その顔ぶれを見ると今後の発展に期待できそうな予感がしてきます。
・株式会社今井書店
・株式会社大阪屋
・株式会社紀伊国屋書店
・株式会社三省堂書店
・ソニーマーケティング株式会社
・大日本印刷株式会社/株式会社ドゥ・ディファクト
・株式会社トーハン
・凸版印刷株式会社/株式会社BookLive
・日本出版販売株式会社
・株式会社ブックウォーカー
・株式会社豊川堂
・株式会社有隣堂
・楽天株式会社
リアル書店の空間を、いかにして読者と電子書籍の出会いの場として作り上げられるか。これらの企業たちがどんな仕掛けを用意してくるのか、実に興味深いです。
(ワタナベダイスケ)