先日、多くのWindowsユーザーにとって、多大な影響を与えそうなニュースが発表されました。以下のNHKの記事をご覧ください。
IE(インターネットエクスプローラー)を使うと、ハッカーにパソコンを乗っ取られるかもしれないということです。怖いですね。
しかし、世の中は、パソコンに詳しい人ばかりではありません。この記事が公開されてからというもの、全国で大騒ぎになっているようです。
「IEってなんだ?」「Yahoo!じゃなくてGoogleを使えば大丈夫」「インターネット使用禁止」などなど、憶測や間違った理解が横行してしまっているようですね。
逆に、分かっている人は、詳しくない人への説明に四苦八苦...。これでは、皆疲れてしまいます。
そこで今回は、『IE』がよくわからないという方のために、今回の件を出来るだけ分かりやすくまとめてみました。また、詳しくない人への説明に疲れた方は、ぜひこのページを見せてあげてください。
して良いこと・悪いこと
まず、詳しい解説の前に、今回の件で何をしてはいけないのかご紹介したいと思います。
なお、ここでの解説は分かりやすくするため、ざっくりとしたものになっています。細かい部分は省いておりますので、ご了承ください。
してもいいこと
「iPhone」や「アンドロイド」を使ってのインターネットは、この件での影響を受けません。安心して、いつもどおりご使用ください。
問題は、Windowsのパソコンで発生しています。
してはいけないこと
さて、今回の件で、してはいけなくなったことはただ1つ。下画像をご覧ください。
この青い「e」のアイコンが、今回問題になっている『IE』こと『インターネットエクスプローラー』です。これを起動して、インターネットをするとハッキングされる可能性があります。
「コレが使えなかったらインターネットできないじゃないか」という方もいらっしゃると思いますが、他の方法でできるので大丈夫です。
その方法とは、別の「ブラウザ」を使うというもの。
『IE』を使わずにインターネットをする
実は、インターネットは『IE』以外でも見ることができます。以下のサイトから、『Google Chrome』(Google クローム)、または『Firefox』(ファイアーフォックス)のどちらかをダウンロードし、インストールしてみてください。
インストールするために、一度『IE』を起動しなければなりませんが、安全なページであれば『IE』で表示しても大丈夫です。他のページを開かず、ダウンロードだけしてください。
インストールが完了すると、自動的に起動したり、以下のようなアイコンがデスクトップに現れるはずです。
これらのソフトは、『IE』と同じようにインターネットを見ることができます。あとは、いつもどおりにご使用ください。
なお、起動すると「規定のブラウザにしますか?」という選択肢が画面のどこかに出ると思いますが、これは「はい」を選んでください。そうしないと、思わぬところで『IE』が起動してしまう可能性があります。
ボタンの位置や細かい部分が『IE』と違いますが、そう大きな違いはありません。少し使っていれば、違和感なく使えるようになるでしょう。
また、『IE』もその内、また使っても大丈夫なように修正されるはずです。使ってみても『Google Chrome』や『Firefox』に慣れないようでしたら、『IE』が修正された後にまた戻ってもOKですよ。
とりあえず、しばらくは『IE』以外をお使いください。
インターネットと「ブラウザ」
さて、これで無事インターネットが使えるようになりました。ここからは少しだけ踏み込んで、なぜ『Google Chrome』や『Firefox』ならよくて、『IE』はダメなのか、ご説明いたしましょう。
「ブラウザ」とは
『IE』は、「ブラウザ」と呼ばれるソフトです。そして、『Google Chrome』と『Firefox』も、また「ブラウザ」の種類の1つです。
例えるなら、「ブラウザ」は車で、『IE』『Google Chrome』『Firefox』は車種に当たります。
この「ブラウザ」という車が、「インターネット」という道路を走っているとイメージしてください。
脆弱性(ぜいじゃくせい)の発覚
ところが今回、『IE』という種類の車に、乗っていると危険な欠陥があるということが判明しました。いわば、リコールです。
『IE』の製作社であるマイクロソフトは、この欠陥を修正するべく、現在準備を進めていると思います。修正が終わるまでは、『Google Chrome』や『Firefox』という代わりの車に乗りましょう、というのが今回のお話となるわけですね。
今回発覚したような、ハッキングされてしまう可能性のある不具合を「脆弱性」(ぜいじゃくせい)と言います。今回は『IE』でしたが、いずれ他のブラウザで発覚する可能性もありますよ。
なお、ここでは触れませんが、他にもたくさんの「ブラウザ」があります。興味があれば、調べてみると面白いかもしれません。
以上が、今回の件での出来事となります。なんとなくでも、ご理解いただけましたでしょうか。
「ブラウザ」の定義が分かるだけでも、インターネットの仕組みが少し分かりやすくなってくるはずですよ。
Photo by Thinkstock/Getty Images
(コンタケ)