TABROID読者の皆様、こんにちは。
Googleのバーチャルお散歩サービス「ストリートビュー」で、元カノのアパートを見てマジ泣きした伊藤です。
はてさて、とても便利なストリートビューですが、謎が多いと思いません? なぜ、いつ、どうやって、日本の北から南まで撮影しているのでしょうか?
まさか私を泣かすためだけに、こんな大規模な撮影をしてるわけでじゃありませんよね?(当たり前だ)
ということでワタクシ・いとうが、グーグル株式会社のストリートビュー プログラム マネージャー・大倉 若葉さんにお話をお伺いしましたよ~。
「なぜ」始めたの?
いとう:まず、なぜGoogle ストリートビューを始めたのですか?
大倉:なぜ、ですか?(笑)
いとう:ええ、なぜ?です(笑)
大倉:たしかラリー(※Google最高経営責任者のラリー・ペイジ、一番エライ人です!)が車にカメラを付けて、「これで何かできないの?」と聞いたのが始まりでした。
いとう:おお、まさかCEO直々のプロジェクトだったとは。
大倉:まずカメラ付き車から始まって、狭い道でも撮影できる三輪車が開発されて、次に雪山用にスノーモービルも作ろうと。
いとう:え、スノーモービルもあるんですか?
大倉:ええ。さらに三脚で撮影できる「おみせフォト」も作っちゃいました。南極のストリートビューは、ブライアン(※エンジニア部門の副長・ブライアン マクレンドン)がそれで撮影したものなんですよ(笑)。
いとう:おぉ、副長も撮影するなんて... アットホームな社風ですね。(グーグルってスゲーな)
「誰が」「どうやって」撮影してるの?
いとう:では次にお聞きしたいのが、ストリートビューは誰が撮影してるんです? 南極は別として(笑)。
大倉:車で撮影するならそのエリアに詳しい方にお願いしますし、トレッカー(背負うタイプの撮影機)も同様に、適した方にお願いしています。あれはトレーニングした方でないと厳しいので(笑)。
いとう:当たり前ですけど、グーグルの方が全国を回ってるわけじゃないんですね。ちなみに車での撮影はイメージしやすいですが、トレッカーでの撮影って具体的にどんな感じなんです?
大倉:例えば屋久島の撮影ですと、1人がトレッカーを背負います。そしてサポート役が他の荷物を運んだり、先行してトランシーバーで障害物を教えたりして撮影しましたよ。
いとう:チームプレイですねー。
大倉:ちなみに撮影中に吹雪に遭遇してしまい... 登山初心者もいたので、本当に大変でした...
いとう:やっぱり撮影って大変なんですね...(しみじみ) とはいえストリートビューって大体晴れてますよね?
大倉:天気予報を見て、晴れる日 & 時間を選んでます。また本州が梅雨の時期は北海道を撮影したり、秋になったら自然が映える九州の大学を周ったり...。
いとう:さすがグーグル、論理的ですね。
大倉:でも「ストリートビューのチームは晴れ男&晴れ女が多い」なんてことを社内からよく言われます(笑)。
いとう:(笑)
「どこ」を撮影するの?
いとう:最近は公道のみならず、観光地や大学までバリバリ進出しているイメージがあります。それって大倉さんの好みですか?
大倉:いえいえ(笑)。私達は本国のチームに、どこを、なぜ撮影する必要があるのかを説明しなければいけない場合もあるんですよ。私の好みじゃないですよ~(笑)。
いとう:あー、そうなんですか。となると有名な場所の方が撮影許可が出やすいんじゃないです? あちらの方もイメージしやすくて。
大倉:そうですね。「富士山」はあっという間にGOサインがでました。
いとう:オゥ、フジヤマ!
大倉:(何事もなかったかのように)あと「軍艦島」も話が早かったですね。
いとう:あ、それはスカイフォールのおかげですね!(※映画『007 スカイフォール』の舞台モデルは軍艦島)
大倉:ですね(笑)。
いとう:ただそうやって撮影しても、街の移り変わりはどうフォローされてるんです? 例えば池袋なんて、たった1年でも結構変わっちゃうじゃないですか。
大倉:街が変われば、ストリートビューも更新します。池袋なら、恐らくどこかの境界線で、最新のモノと古いモノが切り替わっていると思います。
いとう:その再撮影のタイミングは?
大倉:う~ん、そのつどの判断ですね。3年だったり、5年だったり。
いとう:ときに大倉さん、「謎モザイク」ってご存知です?
大倉:?
いとう:ストリートビューって時々、仏像や絵の顔にもモザイクがかかってるじゃないですか?あの謎現象を、僕が勝手にそう呼んでるんです。
大倉:ああ、なるほど。ストリートビューのシステムって、撮影したらそのまま一つのパノラマ画像にするんですよ。で、その加工中に顔やナンバープレートを自動でモザイクをかける。ただ時々、人間じゃない顔にもモザイクがかかっちゃうんですよね。
いとう:なるほど、ある程度は仕方ないですね。それはそうと話が変わって申し訳ないんですが、将来的に過去の街並みを閲覧できるようになったりするんです?
大倉:東日本大震災の一部被災地は、「未来へのキオク」という特設サイトで被災前を閲覧できます。通常ですと基本的に最新のモノしかお見せしないのですが、未来へのキオクは「以前の画像を消さないでほしい」と現地の方から頼まれて...
いとう:それはもう、公開するしかありませんよね。ただ他の地域への対応の予定は...
大倉:現状では予定はありません。春~秋の切り替えなんかできたらなと。
いとう:ちなみに、現在は2D表示じゃないですか。将来的には奥行も楽しめる、3Dになったりとか?
大倉:う~ん、それも実現したら面白いですね~。
トレッカーを体験! ...重っ!
いとう:こ、これは... 重い! 重すぎてお腹が痛い! 何キロあるんです?
大倉:18kgです。
いとう:ヒャー! ちなみに富士山は、何人がかりで撮影されたんです?
大倉:一人で全て撮影しましたよ。
いとう:うそー、信じられない!
大倉:ちなみに枝等の障害物があっても前かがみになっては撮影できないので、屈んで歩かなくてはいけません。
いとう:オリンピックの選手か!
いかがでしたでしょう? ストリートビューの本質が見えたような、見えなかったような。(どれくらいの予算がかかってるのか聞き忘れた! ゴメン!)
ただインタビューで気づいたことが一つあります。それはストリートビューはアナログ要素が濃いプロジェクトということ。GoogleといえばPCと睨めっこなデジタル・エンジニアリングのイメージがありましたが... ストリートビューには人肌の温もりがあり、親近感が湧いてきますね。
ストリートビューは日本での撮影はほぼ完成したと思ってましたが、今後は屋内(お店や美術館)や河まで撮影していきたいとのこと。もっともっと進化するのですね。
個人的には「自分専用のストリートビュー」(自分で画像も動画も埋め込む的な)なんかできたらなぁ~と。例えばハネムーンの旅行先を何年、何十年後も追体験出来たりしたら、スゴイですよね!
ということでグーグルさん、今後の更なる進化を楽しみに待ってます!
「中の人こんにちは」過去記事:
・荒木飛呂彦がゆでる、矢吹神がToLOVEる!作家の反応を聞いてみた 『ジャンプLIVE』インタビュー
・ゆる狂気ゲーム「アルパカにいさん」の中の2人は、アプリ界の藤子不二雄だ!
関連記事:
(Pic)
(伊藤ハワイアン耕平)