荻上チキ責任編集 “α-Synodos” vol.150 特集:もうひとつの声
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荻上チキ責任編集
“α-Synodos”
vol.150(2014/06/15)
特集:もうひとつの声
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★今号のトピック
○はじめに
1.対談/大今良時×荻上チキ
和解だけが救いの形ではない――『聲の形』作者・大今良時氏の目指すもの
2.寄稿/今村彩子
きこえなかった3.11――命を守る情報の格差
3.寄稿/甲斐更紗
高齢障害者と自分史
4.寄稿/金澤貴之
日本にあるもうひとつの言語 ――日本手話とろう文化
5.連載/岸政彦
もうひとつの沖縄戦後史(6)――共同体の暴力
○編集後記
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○はじめに
こんにちは、シノドス編集部の金子です。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。さて、α-synodos vol.150をお送りいたします。「もうひとつの声」特集。今号も充実したラインナップとなっております。
はじめにお送りするのは漫画『聲の形』の作者・大今良時氏へのシノドス編集長・荻上チキによるインタビュー。『別冊少年マガジン』に読み切り版が掲載されてすぐに大反響を生んだ『聲の形』ですが、荻上は「いじめの構造を端的に抉り出している」と感じたとのこと。大今さんは『聲の形』で何を描きたいと考えているのか。自身が送った学校生活の体験と共にお話いただきました。
続いて今村彩子氏による「きこえなかった3.11」。東日本大震災で被災した耳が聞こえない人への2年4か月にもおよぶ取材をまとめたドキュメンタリー映画「架け橋 きこえなかった3.11」。津波警報も、緊急地震速報も聞こえない中で、どのような不安を感じられていたのか。「命に関わる情報に格差があってはならない」。
甲斐更紗氏には「高齢障害者と自分史」をお書きいただきました。手話を禁じられた、口語教育が行われたなど、それぞれの事情で「語る」という行為から疎外されてきた高齢聴覚障害者たち。数えきれないほどの差別に苦しんできた高齢聴覚障害者たちが、苦しみを語り、次世代に伝えていく、その大きな意味。
「日本にあるもう1つの言語 ――日本手話とろう文化」をご寄稿くださったのは、金澤貴之氏。手話は、音声言語の代替手段に過ぎないとお考えではないでしょうか? 手話は、日本語、英語と同じ完成されたひとつの言語です。手話とはなにか? そして「ろう文化」とは? つい見逃しがちで、でも忘れてはいけない視点をわかりやすくお書きいただいています。
今号のラストは、1960年前後の「沖縄タイムス」の記事から、戦後沖縄の知られざる側面を鋭く切り取る、岸政彦氏による連載「もうひとつの沖縄戦後史」。今回のタイトルは「共同体の暴力」1960年代の沖縄で起きた悲惨な事件の数々……その背景にある濃密な親密性の空間。なぜ、このような空間が生み出されたのか。
というわけで、特集「もうひとつの声」号をお楽しみください!
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