荻上チキの αシノドス

“α-Synodos”  vol.248(2018/7/15) 特集:「論壇」の再構築に向けて

2018/07/15 11:08 投稿

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〇はじめに
1.大内悟史「こうすれば「論壇」はもっと良くなる――政治や行政を動かす「意見」や「論争」を」 
2.中里透「物価はなぜ上がらないのか?――「アマゾン効果」と「基調的な物価」のあいだ」
3.牧野雅彦「知の巨人たち――カール・シュミット」
4.西垣通「人工知能を基礎情報学で解剖する」


〇はじめに

毎度、お天気ネタで恐縮ですが、「命に危険が及ぶ暑さ続く 最大限の熱中症対策を」という見出しのニュースをみてビビりながら編集している芹沢です。じつはぼく、脱水症状になって道に倒れて救急車で運ばれたことがあります。「電池が切れるような」とはこのことかと、まったく動けなくなりました。みなさんも、水分補給はどうぞこまめに。

さて、「αシノドス vol.248」、最初に「今月のポジだし!」です。今回は朝日新聞記者の大内悟史氏にポジだしをお願いしました。大内氏、かつて「論座」の編集さんだったのですが、彼こそが「『丸山眞男』をひっぱたきたい」「希望は、戦争」で一世を風靡した赤木智弘氏を論壇に引っ張り出した人物、つまりはロスジェネ論壇の生みの親です。現在は、朝日新聞の「論壇」を担当する大内氏が提言する「こうすれば論壇はもっとよくなる!」です。

ついで、マクロ経済学・財政運営を専門とする中里透氏にご寄稿いただきました。2%インフレを目指して経済政策を運営している安倍政権と日銀ですが、なかなか物価が上がってきません。そこでまことしやかに言われているのが、「物価が上がりにくいのはネット通販のせい」という説です。ネット通販は実店舗を持たないことによってコストを抑制することができますが、このことが物価を引き下げているというものです。一見もっともらしい説ですが、はたしてこれは本当でしょうか? 中里氏がデータをもとに分析します。

そして、「知の巨人たち」。今回は、先日『危機の政治学 カール・シュミット入門』を出版された雅彦氏に、カール・シュミットの魅力についてお書きいただきました。「政治とは友と敵の決断である」という、数多の人びとを魅了した文章を書きつけたシュミット。しかしこの文章ほど誤解されているものはないと牧野氏は言います。そこに込めたシュミットの真意とは何だったのか? 牧野氏にご解説いただきました。

最後に、情報学を専門とする西垣通氏による寄稿です。8月に西垣氏の編纂による『基礎情報学のフロンティア――人工知能は自分の世界を生きられるか?』が出版されます。そこで基礎情報学は現在話題沸騰の人工知能をどうとらえているのかについてお書きいただきました。しばらく前に、マイクロソフトのAIチャット・ボットTayが人種差別的な発言をしてお騒ぎになりましたが、しかしこれはそもそもなぜ「事件」となったのでしょうか? 西垣氏が読みときます。

次号は合併号となり、8月10日配信予定です!
 

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