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いよいよ始まる!?地政学的大ドラマ|THE STANDARD JOURNAL

2015/10/19 12:07 投稿

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■Beijing warns US against maritime challenge in South China Sea
15-10/15 Financial Times

おくやま です。

今回紹介している記事は、
米海軍が近日中に中国が南シナ海で埋め立て中の
人工島の近くの12カイリの「領海」内を通過して、
中国側の違法性を国際的にアピールすることを計画しており、
それに対して中国側が猛反発をしていることを報じたものです。

これに関して、私は数日前に元米海軍の士官で、
現在はアメリカのある大学の学長をしているという人物にお会いして、

「アメリカは中国の埋め立てを止めることができると思う?」

と率直な意見を聞いてみました。

その人物の答えは、

「もちろんできるが、単に軍事的なことだけではなく、
TPPのような経済的な手段なども組み合わせてやるべきだ」

というものでした。ここで私が感じたことは2つ。

1つは、アメリカが(建前でも)
「普遍的な国際法を守る守護者」という立場にある以上、
現実的には単純な軍事的な強制手段のみではダメだ、
ということ。

そしてもう1つは、そうであっても、
国際的な海上交通路(SLOCs)をオープンにしておく
という建前を持っているため、ここでアメリカが引き下がると、
それがアメリカ自身のパワーの信頼性に
大きなダメージを与えるということです。

もちろんこの事態の展開が今後どうなるのかは誰にもわかりませんが、
世界のシーパワー連合のリーダーとしての威信がかかるワシントンと、
国内向けにも「青い領土」を守る姿をアピールしたい北京との間で、
いよいよ地政学における最大のドラマである、

シーパワー vs ランドパワー

という構図が、南シナ海の島の周辺で展開される
という歴史的なシーンを、われわれは目撃することになりそうです。

( おくやま )

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http://www.realist.jp/strata.html
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■-編集後記-(和田)-----------------------------------■

日本にとっては非常に大きな問題であるのが「シーレーン」です。
エネルギーのない日本は、シーレーンのストップは、
国家として終わりです。
それを可能にするので中国は押さえにきているのです。

アメリカにとっての南シナ海の重要度は下がります。
アメリカは中東からの石油輸入は大西洋経由ですし、
シェールガス革命で国土に自前のエネルギーがあります。
どうして守ってきたかというと、
中東にある米国系の石油企業の商売上、
太平洋のシーレーンが必要なわけです。

商売以上に「世界の海を守ってきたアメリカ」
という覇権のプライドがありますが、
人命が軽い中国なんかと衝突はやりたくないのです。
アメリカは引きこもる可能性もあります。

日本は情けなくも自国で防衛をやって来ませんでしたが、
中国対して米国にバックパッシングできている点は
現状は、幸いといえるかもしれません。

ただし、米国が本当に対応するか、それによって
日本の取る道は大きく3つしかありません。
これはずっと片岡鉄哉先生が指摘してきたことです。

日本の選択肢は、

1,米国とともに戦う。
2,米国が引いたら、独自で対抗する。
3,米国が引き、対抗せず中国の膨張にじわじわ軍門に降っていく。

日本にとって悪夢なのは、米中協調で、日本を非核のままにしておき、
東アジアを中国に明け渡す。

その代わり、他の地域への膨張はしないと中国に約束させるものです。
流石に中国は膨張をやめないし、約束を守らない国家だと
アメリカもそろそろ知っているでしょうから、

ここからが日米のリーダーの決断と国民の後押しの正念場ですね。

( 和田 / https://twitter.com/media_otb )



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(担当:紫@管理人)

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