イスラム聖戦士はジャンクフードがお好き?!|THE STANDARD JOURNAL
おくやまです。
さて、今週の番組のほうでも少し触れたトピックですが、
ISISの戦闘員たちは、実はガキっぽい趣味や嗜好を持っている
ということ紹介した記事がお馴染みの英國FT紙にありましたので、
その記事の要約してご紹介します。
※今回は原文にはない写真による図説を多めに心がけました。
こういうことを言っては不謹慎かもしれませんが、
なんとなくISISの戦闘員たちに対して、
「親近感が湧いた」というか、呆れたというか(笑
ISISの戦闘員というのは現地の人にとっては、
大災害以外の何ものでもないんでしょうが、
彼らとて所詮「現代人」ですから、
いくらイスラム教国の復活という
いわゆる「復古主義」を掲げているとはいえ、
現代の文明の利器のもたらす
魅力的な嗜好にはさからえないわけで。
それにしてもこの地域の国境のゆるさというのは、
まさに地続きだらけの中東における
統治の難しさを表しておりますね。
加えて、このFTの記事。
なんとも皮肉で毒が効いる書き方ときたら・・・
すっかりISISを小バカにしているかのような書き方で・・・
-(おくやまによる記事要約はじめ)-------------
「イスラム国」の戦闘員たちは
自分たちが軽蔑している西側諸国のお菓子やガジェットが好き
by エリカ・ソロモン
●「イスラム国」の建国のためにシリアに続々と終結している
外国の戦闘員たちは過去の復活を目指しているはずなのだが、
自分たちが嫌う現代の西側諸国の菓子やガジェットへの好みは
維持したままだ。
●シリアの現地の人々はこのような戦闘員たちが、
首切りや集団虐殺などを使って支配しようとする恐怖の中で
生きなければならないのだが、それでもすでに3年続いている内戦による
経済危機を生き抜く方法を探っている。
●そして彼らの多くは、彼らが嫌う戦闘員たちの
嗜好にあうものを供給するのが最も良い戦略だと考えている。
●シリアとイラクにまたがっている「イスラム国」は、
イスラム教の預言者であるモハンマドの
カリフ国を再建することを主張しているが、
ここに属する多くの外国からの戦闘員たちの好みは、
ポテトチップス、チョコレート、エナジードリンク、
そしてノンアルコール・ビールなどである。
↑欧米で販売されているノンアルコールビール各種↑
ちなみにイギリスのパブではBeck'sが主流。
●ISISの宗教的な戒律や外国からの戦闘員たちの好みは、
支配されている現地の経済を変革しつつある。
アルコールを売っている見せは閉鎖され、
ジャンクフードや服飾
――とくに戦闘服のようなスタイルのものを売る店――関係の店、
そして携帯電話の店などは、それなりに利益を上げているのだ。
↑戦闘服の一例↑
●「ISISが支配している地域の経済は、
外国からの戦闘員たちによって活発化してますが、
それ以外の分野はゼロですよ」とは
シリアの都市ラッカの中心地で服飾店を営む主人の話。
●シリア東部の田舎の人々の多くは、
ISISの外国の戦闘員たちがやってくるまで
レッド・ブルのようなエナジードリンクの類を
見たことも聞いたこともなかったのであり、
シリア東部の町デリゾールの店の主人たちも、
まさか自分たちがヨーロッパや湾岸諸国から来た
戦闘員たちの好みである
スニッカーズやバウンティーのようなチョコレートバーを
売ることになるとは思ってもみなかったという。
↑レッド・ブル↑
↑スニッカーズ↑
↑バウンティー↑
●ある店の主人は、「このようなお菓子というのは、
ここではまったく知られていなかったか、知っていたとしても
高価で買えないようなものだったんですよ・・・
でも戦闘員たちがこれらを要求するわけですから、
私も彼らに文句はいえませんよね。
問屋に行って注文するしかなかったんですよ」と答えている。
●「ISISの奴らはプリングルスとスニッカーズなどを箱買いして、
前線で分けて食べているんですよね」
↑プリングルス↑
●ラッカのある店の主人によれば、
レッド・ブルは250シリアリラ(1.5ドル:170円)、
デリゾールではプリングルス一本5.5ドル(600円)するという。
もちろんこのような値段は、平均で1日3ドルしか稼げない
一般的なシリア人にとっては「高価」なものである。
●現地のビジネスマンたちはポテトチップスや
ノンアルコール・ビールを支配されている地域で買うのだが、
軍のチェックポイントを通過するたびに支払う
賄賂をカバーするために価格の10%を加えているという。
●エナジードリンクとチョコレートは、
トルコとの国境を越えて運ばれてくるという。
●現地の人々によれば、ISISの外国からの戦闘員の
平均月収は215ドル(25000円)であり、
そこの一般市民の平均月収の2倍であるという。
その上に現地で獲得する戦利品や
3ドルの報酬や頻繁に支給されるボーナスなどがあるというのだ。
●「彼らは値札なんかチェックしてませんよね。
金については気にかけていないみたいです」
●シリア東部ではいままで現地の店には
古いノキアの携帯電話しかなかったのが、
最近では最新型のスマホを並べている。
デリゾールはシリア軍に包囲されていて
1日20回も爆撃されているが、
それでも熱心な売人たちが唯一の渡河地点を使って
サムソンのギャラクシーやアップルのiPhoneを求めて
売買している状況に変わりはない。
↑古いタイプのノキア↑
↑ギャラクシー↑
↑iPhone6↑
●「デリゾールにはiPhone6もありますよ。
ISISの戦闘員の中でもとくに湾岸諸国から来た奴らは
スマホに夢中でして、最新型が出るとすぐさま購入するんです。
現地の店になかったら30ドルとか40ドル余計に支払って
オーダーするように要請するくらいです」
●もちろん繁盛しはじめた商売の陰で、
壊滅してしまった商売がある、
それがシリアの町では中心的な存在であったカフェであり、
現在は消滅してしまっている。
●「レストランでやることと言えば水タバコを吸うことくらいですが、
これも禁じられてますよね。ISISの奴らは
常にラッカのカフェを襲撃してますが、
それがカフェが反逆分子や恋人たちの集まる場所だからです。
この二つはISISにとっては絶対的に許せない存在ですからね」
↑水タバコ↑
●イスラム教の厳格な戒律では男と女を分けることが言われており、
このおかげでレストランは現地の人々にとって
人気のない場所になってしまったのだ。
●この店の主人によれば「ラッカのレストランは、
一か所を除いてすべて宅配専門になってしまいましたよ。
現地の住人たちは戦闘員たちとは一緒に食事したくないですから
家に帰って食べるようになったからです。
一か所開いているレストランはISISの戦闘員だらけですよ」という。
●店やカフェのオーナーたちはISISが支配する地域で
なんとか生きていく道を見つけてほっとしているが、
シリア人のほとんどにとっては戦闘員たちの
単純なお菓子の好みでさえ自分たちが
「下層の市民である」ということを思い起こさせる
苦々しいものであるという。
●ある店の主人は、「奴らは宗教の名の下に統治して
良い生活してますが、彼らは以外の人々は苦しんでいるわけですよね。
お客さんの中には、奴らがジャンクフード食って体壊して
死んでくれたらありがてぇのになぁという人もいますよ。
でもわれわれには何もできないので悔しいところですが」
とコメントしている。
===(出典)
▼http://www.ft.com/
Isis fighters crave snacks and gadgets of the west they disdain
===
-------------(要約おわり)-
( おくやま )
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