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習近平の「新シルクロード」構想は地政学的変化たり得るのか?|THE STANDARD JOURNAL

2014/12/01 11:35 投稿

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  • 奥山真司
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おくやまです。

私が専門で研究してきた、いわゆる「古典地政学」では、
マッキンダーが述べているように、

<人類の歴史はランドパワーとシーパワーの勢力争いである>

という認識が前提になります。

もちろん日本はアメリカの主導する
「シーパワー」勢力に入っているのですが、
最近になってその反対の「ランドパワー」勢力が、
色々と興味深い動きを見せております。

それに関するニュースが二つあります。

まず一つは、すでに私のブログでも紹介しましたが、
中国がスペインに向けて世界最長の貨物列車ルートを開発した
というものです。

参考までにそのニュースの要約をさらに要約したものを貼り付けておきます。
===
▼地政学を英國で学んだ|新しいシルクロードの地政学的な意味
http://geopoli.exblog.jp/23788777/

中国で世界最長の鉄道の旅が始まるby イシャーン・サローア

●11月18日に中国東部の工業都市である義烏(Yiwu)から、
82両編成の貨物列車が出発した。
その旅は21日後となる12月にマドリッドで終わる歴史的なものであった。
この貨物列車がカバーする距離はほぼ1万キロであるが、
これは貨物列車として世界最長であり、
ロシアの有名なシベリア鉄道よりも長い。

●「義烏=マドリッド線」は、大陸間の陸上貿易を再活発化させようとする
北京の新たな取り組みだ。これは「新しいシルクロード」という計画であり、
習近平主席が400億ドルをかけて
貨物列車のためのインフラや集積施設の改善への投資を決定している。

●もちろん貨物を使った貿易というのは主に海上を通じたものであるが、
エコノミスト誌によれば、ヨーロッパの高級品への
中国市場での需要の高まりによって、
ユーラシアの鉄道貨物も発展しつつあるという。

●また、ロイターによれば中国はヨーロッパの会社に握られている
貨物の分野における自国の企業の機能を強化する狙いがあるという。
すでに中国は世界貿易の中心的な存在であるが、
この計画を推し進めているのは歴史的な優越感である。

●この貨物線のルートは中国の最西部である
新疆ウイグル自治区を横断しており、
中央アジアのカザフスタンを越えている。
このルートは、数百年前に中国の製品が
草原や針葉樹林を越えて向かっていたものと同じだ。

===

世界最長というのはすごいですね。
中国の野望が見え隠れしております。

そしてもう一つのニュースは、
ロシアが北朝鮮を通じて韓国に石炭を鉄道で運搬するという計画。
 

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