『ターンAガンダム』を見直してわかったのは、これは富野監督にとっての『風立ちぬ』だったんだということ。
宮崎駿と富野由悠季、共産主義VS資本主義の勝者
こんにちは、大井昌和です!
『ターンAガンダム』を見直してわかったのは、これは富野監督にとっての『風立ちぬ』だったんだということ。
富野監督は表立って宮崎駿をライバル視する発言をする稀な監督です。
例えば押井守などは宮崎の人格を揶揄し矮小化してなんとか対応するなどであり、正面から宮崎駿に立ち向かう人物は少ないのです。
そして『ターンAガンダム』は確かに傑作だったのですが、彼は宮崎駿に勝てたのでしょうか?
富野由悠季は手塚治虫の虫プロ出身の作家です。ご存知の通り、手塚が影響を受けたのはアメリカのディズニー映画です。
ディズニーは資本主義社会の中でコンテンツ産業のトップを極める存在であり、富野はスタートから資本主義によってクリエイトする環境にいました。
虫プロを出た後も彼は自嘲気味に言う「おもちゃのCM」アニメを作り続けます。
それは制作費を出す資本家の意向に添った作品を作るという、まさに資本主義の手先となって作品を作るのが富野でありました。
他方、宮崎駿はどうだったのか?
彼はロシアや東欧のアニメに深く影響を受けていますし、ロシア版『雪の女王』はジブリから日本国内に販売されたほどです。
当然、ロシアは当時ソビエト連邦、共産主義の国家でありましたし、東欧も同じくです。
そんな宮崎が東映動画に入ったとき、当時の東映動画は世界でも稀な労働組合の闘争の真っ最中でした。
そしてその闘争の中心人物でもあった高畑勲に師事することになります。
つまり、宮崎は富野とは鏡のように正反対で、スタートから共産主義的にアニメに関わるのです。
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