2月19日、トランプ米大統領は、ウクライナのゼレンスキー大統領を「選挙無き独裁者」と批判した。トランプ政権は、独断でロシアと停戦に関する会談を行い、さらにバンス米副大統領が「欧州に関して私が最も懸念している脅威はロシアでも中国でもない。それは欧州の内なる脅威だ」と演説するなど欧州軽視が続く。

 この振る舞いに、「アメリカは、ロシアの同盟国となってしまった」というのが、欧州の外交専門家の見方である。

 かねて危機感を感じていたマクロン仏大統領は、17日にパリに英、独、伊、デンマーク、ポーランド等の首脳やEU、NATO関係者を集めて緊急会議を開いた。19日にはさらに拡大したリモート欧州首脳会談を開催。マクロン氏は「ロシアが欧州人にとって存在にかかわる脅威であるという非常に強い一致に至った」と米を牽制した。 
週刊文春デジタル