2月12日、トランプ米大統領は、プーチン露大統領と電話で会談したと発表した。ウクライナ戦争の和平交渉に向けて、サウジアラビアでの直接会談などについて話し合われたようだ。トランプ氏は、「プーチン大統領は戦闘の終結を望んでいる」と明かしたが、これは本音だろう。

 ロシア経済は開戦以降、異常な状況にある。2024年の政府予算では、軍事や治安維持への歳出が、前年比142%と急増。さらに2025年の歳出では、総額の4割を占めて戦時経済の様相を呈している。

 一方で、市民生活には不穏な気配が漂っている。モスクワの友人から送られた動画を見ると、町並みの広告は激減し、欧米の製品に代わってロシアと中国のもので埋められている。「ソ連時代に戻ったようだ」との嘆きの声が上がっている。 
週刊文春デジタル