七月から九月上旬まで、大阪の名画座、シネ・ヌーヴォにて新東宝作品の特集上映が開催されている。
 せっかくなので、それに合わせて本連載もこの夏は新東宝の戦争映画を紹介していきたい。今回取り上げるのは『明治天皇と日露大戦争』だ。
 当時、新東宝はヒット作に恵まれずに危機的な状況にあった。そこで大蔵貢社長が乾坤一擲の大勝負に出て製作した超大作が、本作だった。 
週刊文春デジタル