トランプさんが無事で本当によかった。
 銃弾が耳を貫通しながらも助かったとは、なんという強運の持ち主であろうか。
 それにしても、この強運をも含めて、トランプさんというのは、アメリカの大衆(全部とはいわないが)の心をつかむように運命づけられていると思う。
 血を流しながらも、こぶしをあげている姿に人々は熱狂した。今年のピュリッツァー賞をとるのではないかと言われるあの写真に、私は絶句する。
 なんてすごい写真なんだ。
 青空に星条旗がひるがえっている。その下で血を流しながらも、天を仰ぎ、私は負けない、と誓うようなポーズの前大統領。
 あれを見て私は硫黄島のあの写真を思い出した。 
週刊文春デジタル