ABEMAで作る番組はすべて、「トンガリスト会議」という名の会議の場で、企画を思いついたスタッフが総合プロデューサーである私に提案し、その場で可否を判断するという形をとってきた。トンガリストとは、とんがったとか尖ったとかそういう意味で、事業パートナーのテレビ朝日社内にあった「フリキリスト賞」に倣ったものである。我々は、通常の枠を超えた、ふりきった、とんがった番組企画を追い求めてきた。
 なぜなら2016年に開局したABEMAは、当初は無名で、視聴者がわざわざ探して来るほど興味をそそる番組、ABEMAの名前を広く世間に知らしめてくれる話題性、ニュース性を必要としていた。それはもう、生き残るために必死だったと言っていいくらいだ。 
週刊文春デジタル