久しぶりに髭を剃って鏡を見てハッとした。
「ダメじゃん！」
　現在撮影中の某作品のために半年前から伸ばしてた無精髭、うっかり剃っちゃった！　どうしよ。とりあえず現場に向かうか。車を運転しながら、怒られる、絶対怒られる。なんて言い訳しよう、いや、そんな事より撮影だよ。付け髭？　発注しても間に合わないよな。いや、今の技術ならCGとかで何とかなるだろ。思考がポジティブとネガティブに大きく振れる。今日は行くのやめよう！　と決めた瞬間……目が覚めた。焦って顔を触りまくる。よかった。生えてる。夢でした。
　不可逆性ですね。剃った髭は絶対に戻らないという緊張感が見せた夢なんでしょう。
　という話を現場でしたら、僕も私もと俳優ならではの「夢エピソード」がたくさん出て来た。　
週刊文春デジタル