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春日太一の木曜邦画劇場 第581回「香港クンフー映画に便乗しても、演出、アクションはそれを上回る!」『激突!殺人拳』

2024/04/25 05:00 投稿

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  • コラム
  • 春日太一
 今回は『激突!殺人拳』を取り上げる。
 一九七〇年代前半、ブルース・リーが巻き起こした香港のクンフー映画の大ブームに、東映が便乗して生み出した「カラテ映画」の企画である。だからといって、いい加減な作品では全くない。むしろ、作品としての見応えは一連の香港映画はどれ一つとして及ばないものがあると思える。
 それもそのはず。監督・小沢茂弘―脚本・高田宏治という、幾多の時代劇や任侠映画で重厚なアクションを創出してきたコンビが手掛けているのだ。また、主演の千葉真一も、ブルース・リー同様にアクロバティックな格闘アクションを得意としてきたが、当人はスピードと手数で勝負する香港流のスタイルを好ましく思っていなかった。そのため、一撃の重みを拳に込めて格闘を表現している。 
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