SMAPと長年仕事をさせてもらったが、自分が関係ない仕事でもっとも嫉妬した作品がある。
 1999年の正月に放送された「古畑任三郎vsSMAP」だ。
 この企画が発表された時、世の中の期待感はとんでもなかった。だって、田村正和がSMAPを逮捕するんだから。
 逮捕するということは、誰かを殺めるわけです。この回では、SMAPのメンバーがそのままSMAPを演じた。つまり、ドラマの中とは言え、実名で罪を犯す。
 SMAPはグループでも、個人でも、CMを沢山やっている。
 おそらく乗り越えなければいけないハードルは沢山あったはずだし、もしかしたらこれをやることで失ったものもあるのかもしれない。
 でも、架空のグループにしたらおもしろくなくなる。実存するグループだからいいのだ。 
週刊文春デジタル