32年の放送作家人生で、企画書を見て一番ワクワクしたのは何かと聞かれたら2001年に始まった「¥マネーの虎」になるだろう。
 日本テレビの栗原甚さんと放送作家の堀江利幸さんが二人で考えたこの企画。一般人の起業家が、自分自身も激しい人生を生き抜いてきた「虎」と呼ばれる社長たちに事業計画をプレゼンテーションし、交渉が成立すれば、社長=投資家はすぐに目の前で自分の持ってきた札束、何百万円もの現金を渡していくというもので、それまでのテレビ界には存在しなかった「投資バラエティー」企画だった。
 僕は栗原さんから誘われて構成に入った。企画書を見た時に、「なんだ、これ?」と思いながら、かなりワクワクしたことを覚えている。 
週刊文春デジタル