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ツチヤの口車 第1327回 土屋賢二「不便だったころ」

2024/02/01 05:00 投稿

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  • コラム
  • 土屋賢二
 便利な世の中になったものだ。
 人類は、動物の丈夫な皮膚を失うかわりに、気温に応じて細かく暖かさを変えられ、その上、ドブネズミからヒョウまで模様も変えられる衣服を発明した。
 動物の鋭い聴覚を失うかわりに、必要に応じて補聴器から耳栓まで聴覚を調節できるようになった。視覚も、望遠鏡から顕微鏡まで、暗視鏡からアイマスクまで調節できる。
 動物の速く走る能力を失うかわりに、人類は用途に応じて多様な移動手段を発明し、陸上だけでも、レーシングカーから車椅子まで、乳母車から霊柩車まで使い分けられるようになった。
 中でも目ざましいのは、知的能力を増強したことだ。 

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