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春日太一の木曜邦画劇場 第568回「丈吉を狙う夏八木勲の惨めな最期。シリーズは未完でも印象的な終焉だ」『無宿人御子神の丈吉 黄昏に閃光が飛んだ』

2024/01/25 05:00 投稿

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  • コラム
  • 春日太一
 今回取り上げる作品は『無宿人御子神の丈吉 黄昏に閃光が飛んだ』だ。前回前々回と紹介してきたシリーズの三作目にして、最終作である。
 このシリーズは、妻子を惨殺された丈吉(原田芳雄)の復讐の旅を追いかけてきた。そうなると、最終作では最後の仇敵である国定忠治との決着が描かれるはず――と思う人も多いだろう。ところが、本作にはこれまで忠治を演じてきた峰岸徹がクレジットされていないのだ。
 ただ、一作目で内田良平の演じた同じく仇敵の長五郎を二作目では井上昭文が演じていることから、本作も忠治のキャスティングが変更になったと考えられないこともない。だが結論から言うと、忠治は登場しない。本シリーズは完結せずに、途中で終わってしまっているということだ。
 だからといって、肩透かしの内容かというと、全くそのようなことはない。むしろシリーズ最高の見応えで、忠治の存在を忘れてしまうほどだ。 
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