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春日太一の木曜邦画劇場 第567回「失態を犯す丈吉の情けなさの一方で内田朝雄、市原悦子の姿が際立つ」『無宿人御子神の丈吉 川風に過去は流れた』

2024/01/18 05:00 投稿

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  • コラム
  • 春日太一
 前回に引き続き、年末に待望のDVD化となった原田芳雄主演の時代劇『無宿人御子神の丈吉』シリーズを取り上げる。今回は二作目『川風に過去は流れた』だ。
 前作からの流れで、妻子をヤクザたちに惨殺された丈吉(原田)が、無宿人として関八州を旅して回りながら復讐を果たさんとする展開は同じだ。ただ、丈吉への印象は前作に比べて異なる部分がある。前作の丈吉は、寡黙なニヒルさの奥にヒリヒリするような暴力性を感じさせており、そんなキャラクター設定が原田にピッタリ。陰を負ったヒロイックな人物としてとにかくカッコよく映し出されていた。
 ところが、本作ではカッコいいだけの存在ではないのだ。 
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